【一問一答】誕生日の伏見寅威 九回に代打で値千金の同点打 池田からのTシャツ&手紙に感謝
■パ・リーグ9回戦 ロッテ5ー6日本ハム(5月12日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの伏見寅威捕手(34)が1点を追う九回1死満塁で代打出場し、三遊間を破る同点打を放った。母の日だったこの日は、自身の誕生日。練習中に新庄剛志監督(52)から「チャンスでの代打は頭に入れておいて」と〝予告〟され、入念に準備し期待に応えた。ヒーローインタビューと試合後の一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―誕生日に価値ある同点打
「やりましたーー!」
―ファンからのバースデーソングに乗って打席に入った。どんな意識だったか
「(伊藤)大海もすごい頑張って投げていましたし、最後、(斎藤)友貴哉が点を取られちゃったんですけど、頑張って投げて、野手のみんながこうやってつくってくれたチャンスだったので、なんとしても事を起こそうと思って打席に入りました」
―打球が三遊間を抜けた時、どんな気分だったか
「本当に夢中になっていたので、記憶がないです。すみません」
―ベンチで、もみくちゃにされた
「まだ試合は終わっていなかったので、隙を見せたかなと反省しています。すみません」
―きょうは誕生日で母の日。いいプレゼントになった
「まずは試合前から、誕生日おめでとうと、ボードをたくさん作ってきてくれたファンの方々、本当にありがとうございます。すごくうれしかったです。きょうは母の日で、いつも母にあまりお礼とか伝えられていないので、こうやって結果で、活躍している姿を見せられて本当に良かったと思っています」
【試合後の一問一答】
―打席に向かう時の気持ちは
「普段だったら、(自分に)代打を出されたりする場面で、自分が代打に行くことに、ちょっと不思議な感覚があった。監督から、きょうの練習の時に、チャンスでの代打は頭に入れておいてと言ってもらえていたことで、いつも以上の準備ができた。(打席に)行く時は、何か事を起こすことだけ考えて、という感じです」
―新庄監督から声をかけられた
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「代打で行くことがほぼ、ないじゃないですか。そこの準備もするんですけど、普段は守備の方で、田宮の後に出たらどうしようとか、いろいろ考えている。きょうは(声をかけられて)チャンスでの代打があるんだなと。その準備もいつも以上にできていた感じです。(声をかけられることは)たまにあるんですけどね。監督に言ってもらえたのは、シーズンで3回目くらい。左ピッチャーが先発だったり、相手が僕に合いそうな、そういうタイミングで声をかけてくれる。きょうも本当は小島が投げているところでの代打の予定だったのかもしれないですけど、たまにあるんですよね」
―意気に感じるか
「監督と普段はあまり話さないので、どの話でも。あと、誕生日おめでとうと言ってくれましたね」
―代打の声がかかったのはいつか
「ピッチャーが鈴木くんに代わった時に。その前から、一応準備しておいてと言われていて(投手が)代わって、行くよという感じです」
―誕生日で、気持ちも入ったか
「そうですね。あんまり誕生日に活躍した記憶がないんですけど、きょうは試合前からビジョンに誕生日おめでとうとか、やってくれているのを見て、すごくうれしかった。試合に出たら、とにかく楽しもうということを考えていました」
―チームメートが誕生日Tシャツを着ていた
「池田が作ってくれたんですよ。(鎌ケ谷でリハビリ中の)池田がこっちの人に頼んで、僕がロッカーを開けたら、サプライズで掛けてくれていて。連絡したら、予備がたくさんあるということで、誰かが配ってくれて、それをみんなが着てくれて、という感じでした」
―見た時にどう思ったか
「びっくりしました。手紙も置いてあって。まさか池田からもらえるとは」
―今まではサプライズする側だった
「されるとうれしいです。なので、また誰かしらにやりたい。こういう気持ちを味わってほしいと」
―手紙に書いてあったことは
「なぜか呼び捨てで、寅威へと書いてあって(笑)。『俺がいないと寂しいけど、もうちょっと頑張ってくれ』みたいな。僕が池田にかけなきゃいけない言葉を、あいつが僕にかけてきた。そんな感じの手紙でした」
―水野が一丁締めで、「これが今年のファイターズ」と言っていた。今年のチームの違いは
「水野は結構、的を射ているというか、いいとこを言っている。こうやって最終回に1点取られて、誰もがうわーっていう雰囲気の中で、エラーしてしまった郡司が、先頭でなんとかという気持ちで(塁に)出て、それをつなげて、こうやって勝ちきるというところもすごいですし、負けていても諦めずに最後までやり続ける、そういう姿勢というか、誰もマイナスな方向を向いていないというところが、今すごくチームのいい雰囲気なんじゃないかなと思います」
―オリックス時代の経験と比べてどうか
「今は5月で、まだまだ全然シーズンは長いじゃないですか。あと100試合以上あるので、この気持ちをキープするというのはすごく難しい。みんなそれは経験がないことなんですけど、そういうところを僕だったり、年上の人がどうにか若い子を引っ張っていったり、逆に若い子に引っ張られたりで、そういうのでチームが支え合いながら良い方向に行くというところがいいチーム、勝てるチームなのかなと思う。オリックスが勝っていた時と似たような雰囲気は感じています」
―母の日が誕生日。これまでどう祝っていたか
「かぶったのは初めてじゃないですかね。母の日は毎年違うので。きょうはたぶん、うちの親もおそらく、けん制していたと思いますね(笑)。僕も何時に連絡しようか迷っていたら、向こうから先に、誕生日おめでとうと言ってきてくれたので、ありがとうからの、母の日、いつもありがとうという流れで」
―いつも母の日の贈り物は
「しますね。本当にちょっとしたものです。花を贈ったり、ものを贈ったり、その時その時で違います」
―今回は
「今回は全然、大した物じゃないですよ。育てるタオルという。何かいいんですよ。洗えば洗うほど良くなるタオル。それをうちの妻と一緒に考えて贈りました」
―どんなお母さんか
「めちゃくちゃポジティブですね。お母さんに似たのか、性格が。ポジティブなんですけど、すごい心配性なところもあって。でも結果、前向きにやるしかないよねという結論にいつも至るんですけど。なので僕が落ち込んでいる時とかは、絶対励ましてくれる強くて優しいお母さんだなという感じです」
―学生の時から
「そうですね。僕がダメだった時に、そんなんじゃダメだよって言ってくれたりもしましたし、良い時はもちろん褒めてくれますし、結構ケツを叩くこともやってくれたので。今でも、もちろんあります」