《荒木大輔のズバリ解投》頼もしく見えた今川のパフォーマンス
■パ・リーグ9回戦 ロッテ5ー6日本ハム(5月12日、エスコンフィールド北海道)
エスコンでの強さが際立つ
今年のファイターズは粘り強い。ホークスに3連敗し、迎えたロッテ3連戦。3連勝で一気に息を吹き返した。本拠地ではここまで11勝1分4敗。エスコンフィールドでの強さが際立っている。それをファンの方々も知っているのだろう。九回、先頭の郡司がヒットを打つと、球場内の雰囲気が一変した。何かを起こしてくれるかも、といった期待感に包まれた。
大事なのは貯金 選手に芽生えている自信
まだまだ開幕して1カ月半ほど。ペナントレースは長い。これからいろいろなことが起きる。ただ、しっかりと貯金をつくれているのは事実で、強さを示す証拠でもある。いいゲームができても、負けていては自信は生まれない。選手、チームは確実に成長している。
誰もが認める元気印 これまで悔しい思いをしてきた
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この試合に限れば、2安打を放った今川の活躍が頼もしく見えた。彼が入団した時、私は1軍で投手コーチをしていた。直接的な関わりはないが、あの一生懸命さは目を見張るものがある。ファームの試合でも、常に誰よりも声を出してチームを鼓舞している。
2軍で敗色濃厚な展開となれば、時にダラッとした雰囲気が漂う。それでも彼の声が止まることはなく、若い選手を引っ張ろうとする意識も見て取れる。開幕から2軍生活が続き、悔しい日々を過ごしてきたはず。その思いを晴らすだけのパフォーマンスを披露した。
沢村の前に空振り三振も、下がらない評価
1点を追う八回1死二塁の場面ではリリーフ登板した沢村の前に空振り三振に倒れた。だが、相手はメジャー経験もある百戦錬磨の投手。すべてフォークが低めにコントロールされていた。今川も直球一本に絞って積極的に振っていった。空振り三振は最悪の結果。ただ、なんとかしようという姿勢は見せたし、相手にとって大きなプレッシャーにもなった。決して評価は下がっていないはずだ。
勝負強さが戻ってきた万波
もう一人、万波の復調も心強い。前日の1番起用で、きっかけをつかんだのだろう。新庄監督もそのようにコメントしていた。二回の本塁打は見事で、四回のタイムリー内野安打も効いた。決して足は速くないが、ただのショートゴロに終わらせない勝負強さが戻ってきた。あらゆる要素が絡み合い、ファイターズが再び勢いに乗った。