ファイターズ
《ハム番24時》5月13日
日本ハムは前カードのロッテ戦で3連勝。完封リレーに劇的サヨナラと、見どころ満載の3日間だった。
3戦目に勝利投手となったのは、移籍2年目の斎藤だ。本拠地初登板の緊張もあったのだろう。「すごい拍手をいただいたのにストライクが入らなかった。ちょっと力んじゃいました」。2四球1失点と苦しんだが、味方の強力援護に恵まれて3年ぶりの白星が舞い込んできた。
昨秋の沖縄・国頭キャンプ。記者は全体練習から離れて、1人で別メニューに励む斎藤の姿を見ていた。右膝前十字靱帯(じんたい)断裂からの復帰には相当な時間を要する。当時は、こんなにも早く1軍戦力となることを予想することができなかった。
12日の試合前に、そんな話題を振ると「僕も正直、こんなに早くエスコンに来ることができると思っていませんでした」と屈託のない笑みを浮かべた。続けて「もう違和感なく投げられるし、パワーアップしているような気がするんですよ。球速的にもまだまだいける…って言っておきますね(笑)」と、リップサービスを交えて抱負を語ってくれた。
柔らかな笑顔は、リハビリ期間中だった国頭での取材時と全く変わらなかった。常に明るさを失わず、逆境を乗り越えた男に、ようやく運が向いてきた。最速161キロを誇る豪腕への期待は、膨らむばかりだ。