札幌大谷が新体制初の全道に王手 背番号18の佐々木が6回〝準完全〟
■春季全道高校野球札幌支部(5月14日、札幌麻生球場)
▽Eブロック準決勝 札幌大谷8-0恵庭南 ※七回コールドゲーム
札幌大谷が新体制初の全道に王手をかけた。今春、2004年から夏の甲子園連覇を果たした駒大苫小牧出身の五十嵐大監督(36)が指揮官に就任。昨秋の支部予選で2イニングだけと経験の少ない佐々木航投手(3年)を公式戦初先発に起用すると、6回を投げ毎回の10K無安打無失点と期待通りの好投を見せた。15日の代表決定戦で、立命館慶祥と対戦する。
許した走者 先頭打者の四球だけ
背番号18のサウスポーが、勝負の夏へ向けてアピールに成功した。先頭打者をストレートの四球で歩かせたが、その後は丁寧な投球で1人も走者を許さず、恵庭南打線を沈黙させた。公式戦初先発の大役を無事に果たし「初回はちょっとバタバタしたんですけど、二回からちゃんと落ち着いて投げられた。真っすぐでカウントが取れて、変化球も良く、テンポよく行けた」。ナチュラルにシュートする直球とツーシームを織り交ぜ、スライダーで次々と仕留めた。
ハイレベルな投手陣 昨秋のベンチ外をバネに
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下克上の春だ。投手陣はエースの内野泰樹(3年)を筆頭に、昨秋1番を背負った菊地大一投手(3年)、中等部時代にリトルシニア日本選手権8強右腕の瀬尾心之介(2年)ら、ハイレベルなメンバーが揃い、佐々木の序列は低い。昨秋の全道ではメンバーを外れ「今年の春で頑張ってメンバーに入って、早くマウンドで投げられるように練習を頑張った」と、悔しさを原動力に下半身を強化。ゴールデンウイーク中に行われたセンバツ甲子園帰りの別海との練習試合で8回2失点と好投しベンチ入りを果たした。
五十嵐監督「いろいろな選手使い」適性チェック
五十嵐監督は「夏に向けての大会だと思うので、いろいろな選手を使いながら適性を見ています。佐々木は最初は緊張もあって全然ストライクが入らなかったが、それからはいつも通りのピッチングができた」と及第点を与えた。部長から監督になり、練習メニューも変化した。練習試合でバントを失敗した翌日は、バント練習だけで終わるなど課題克服をおざなりにせず、徹底的に反復練習。佐々木は「そういうのはいいと思う」と、歓迎する。
2年前、同校初の夏の甲子園出場時、アルプススタンドから見た光景は今も脳裏に焼き付いている。「今も覚えてますし、自分もマウンドで投げたい」と、きっぱり。中高一貫6年間の集大成の夏へ、与えられたマウンドで全力で左腕を振り続ける。