高校野球
2021/11/20 14:56

栗山高女子硬式野球部設立へ 栗山前監督の鶴の一声で準備委発足

女子野球でも盛り上がっていきましょう! 日本ハム・栗山前監督の一言が町民を動かした

 道内高校3チーム目の女子硬式野球部を目指す―。今年7月、栗山町と地元企業などで構成される「栗山高等学校女子硬式野球部設立準備委員会」が発足。来春から女子硬式野球に挑戦する生徒の募集活動を本格的に開始している。初年度は同好会としてのスタートを目指すが、実現すれば道内では札新陽、駒大苫小牧に続いて3校目となり、公立校では初となる。少子化が進む中、女子野球で町を元気にしていく。

道内公立高初 来春同好会からスタートへ

 官民一体で町の活性化を進める。栗山高OBで設立準備委員会の塩見望さん(53)は、「町外から来る子供たちに、この町に来て良かったなと思っていただけるような町づくりの支援をしていきたい」と、女子野球部発足を町の活性化につなげるために奮闘している。
 きっかけは今季まで北海道日本ハムファイターズで指揮を執った栗山英樹前監督(60)だ。2019年12月、以前から親交のあった塩見さんが一緒に町内の小学校を訪問したときのこと。以前から町の衰退化は課題となっていたが「これからの時代は女子野球の普及が進んでいくから、栗山高に女子硬式野球部を作ってみたら?」との一言から始まったという。
 翌年2月、塩見さんが代表理事を務める「南そらち青年経済人研究会」と地元の青年会議所が、町内の活性化について作成した提言書を栗山町に提出。その中に据える3本柱の一つが女子硬式野球部設立案だった。同高の今春の新入生徒は40人。来年以降の生徒確保にも向けた提案に、町は前向きに検討を開始した。
 今年7月、正式に準備委員会が発足した。町は町立の道介護福祉学校学生寮を30年ぶりに再整備し、一部を栗山高の生徒のための寮として使用することも検討しながら、町外からの受け入れ体制を着々と進めている。
 今月に入って募集チラシを作成。南空知地方の中学校に約2800枚を配布した。さらに道野球協議会を通じて、道内少年野球チームや女子クラブチームなどへ周知を広めていく。塩見さんは「個人的ではありますけど、栗山監督といつか一緒に何かできたら」と夢を膨らませる。夢は正夢。実現させるためにある。

■北海道立栗山高等学校

 昭和4年、前身の公立栗山実科高等女学校として開校。栗山高等女学校を経て、昭和23年に現校名に変更し共学となる。生徒数は今年5月1日現在で、119人。部活動は野球部、男子バスケットボール部など。所在地は夕張郡栗山町中里64番地18。

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