新庄監督が大胆起用 今季初の捕手登録4人同時スタメン 不測の事態で郡司のマスク、DH解除も
■パ・リーグ6回戦 西武1ー4日本ハム(5月14日、エスコンフィールド北海道)
出た!ビッグボス采配 リスク承知の勝負手
日本ハムの新庄剛志監督(52)が14日、エスコンフィールド北海道で行われた西武戦で、今季初めて捕手登録の4人を同時にスタメン起用した。ベンチに控える捕手がいない異例の采配。不測の事態も含めてシミュレーションし、勝負手に踏み切った。
規定打席到達も見据えて田宮を「1番・DH」
山崎が先発する際、オリックス時代から厚い信頼を寄せる伏見がマスクをかぶる。郡司とマルティネスは普段通り、内野で出場。前例に沿えば、田宮はベンチスタートだったが、この日は「1番・DH」でスタメンに組み込まれた。
斬新なオーダーを選択した新庄監督は試合後に「ヘッド(コーチ)はドキドキしていましたけど、きょうはDHを田宮くんに。1番で、規定打席にも到達させたい」と意図を明かした。
不測の事態も想定済み
田宮の打力を生かす攻撃型オーダーだが、リスクはある。伏見に負傷などのアクシデントがあった際の対処だ。その場合、三塁の郡司がマスクをかぶり、別の内野手を三塁に入れるプランを用意していた。さらに、展開にもよるが、試合の最終盤はDHを解除し、田宮が捕手を務めることも想定していた。
スタメンマスクの伏見は気合 「絶対に代われない」
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伏見本人が「きょうに関しては、絶対に代われないという意識で試合に入っています」と振り返ったように、簡単には退けなかった。ベンチも、代打や代走は出しづらい。郡司やマルティネスは今季、一度も捕手で出場しておらず、DHを解除して田宮を捕手にすれば、投手を打順に入れる必要がある。
入念な準備も敢行 山田コーチ「全然、問題ないです」
新庄監督と綿密に打ち合わせた山田バッテリーコーチは試合前、郡司に「ワンバン(捕球)の練習をしておいて」と指示していた。ベンチに控え捕手がいなくても、不安はなかったそうで「全然、問題ないです。郡司もおる。ただ、出ている選手(郡司、田宮、マルティネス)は途中で代えられないよね」と説明した。
バッテリーミーティングに参加 郡司「ある程度はできる」
もちろん、場当たり的な策ではなく、事前の備えがあった。郡司は三塁がメインになっても日々のバッテリーミーティングに参加し、細かい情報も頭に叩き込んできた。だから「何かあったらいくぞ」と監督の意思を伝えられても慌てなかった。
「(ブランクがあっても)ある程度はできると思います。ド緊張はすると思いますけど」と静かに笑った。
今季最多の貯金「6」 攻め手を緩めない指揮官
チームが好調を維持していても守りに入らず、躊躇(ちゅうちょ)なく動く。発想豊かな新庄監督はさまざまな可能性を否定せず、強気にポジティブに改革を進める。