ファイターズ
2024/06/24 16:50

【青春の1ページ】~F戦士が高校時代を振り返る~ 上原健太投手

広島・広陵高時代の上原=本人提供

プロ9年目のドラ1左腕が登場

 どんなプロスポーツ選手にも、色あせることのない〝青春の思い出〟がある。道新スポーツデジタルでは、アスリートの高校時代にスポットを当て、「青春の1ページ」と題して連載する。第4回は、広島・広陵高出身の日本ハム・上原健太投手(30)。超ハードな寮生活についてや、地元・沖縄から離れた高校を選んだ理由など、たっぷり語ってもらった。

きつかった食事 福島だったらやめていた!?

―一日のタイムスケジュールは
「寮に住んでいたので、学校がある日は朝6時15分に玄関の前で点呼でした。全員揃っていたら体操をして、そこから全員で寮の掃除です。10分から15分ぐらい。それが終わったら朝食。また飯がきつくて…毎食、米を1キロ食べないといけない。朝、昼、晩、1キロ、1キロ、1キロがノルマでした。白米500グラムを2杯。(食が細い)福島だったら、飯食べられなくてやめていますね(笑)」

―食べられない人もいるのでは
「食べないと次に進めない。遅れるとやばいので、食べるしかない。基本的に、完食するしかない。残すことは、まずあってはいけないんです(笑)。食べきるのが当たり前。1年生は、慣れるまでそこに一番、苦労しているんじゃないですかね。食べ終わったら制服に着替えてグラウンドに降りる。敷地内にグラウンドがあるので、グラウンド整備と、学校内の野球部と関係ないところも掃除します。割り振られている持ち場の掃除が終わり次第、登校する」

1年時からAチーム 「頑張らないわけにはいかない」

―朝練などは
「朝練があるのは、学校がない時だけです。夏休みは基本的には大会があるので、冬休みとかですね。冬は朝5時くらいからランニングを開始して、2時間くらい走ってから、またいつも通り、寮の掃除とかをやって、朝食を食べてグラウンドに入って、またランニング(笑)」

―通常の練習は授業の後に
「はい。学校が終わったら、走って寮まで帰って、5分くらいで着替えて、速攻でグラウンドに降りて、来た順で各自アップする。練習時間は短かったので、だいたい(午後)4時くらいから2時間、2時間半くらい。それでも、きついんですけどね。最後は、絶対に毎日、校歌を歌って練習が終わります。部員は3学年で120人いないぐらい。A、B、Cに分かれていて、Aがメイングラウンドで練習。下のグラウンドを使うBは、バッティングはテニスボールで。ノックもできないので、ゴロを転がしてネットに投げるような基本練習をやっていました。Cはだいたい1年生で、ひたすら体力強化、ランニング。僕はCでちょっとやって、すぐAに上がった。みんなはめっちゃきつい練習をしているのに、僕は1年生で試合に出ている。2、3年生でメイングラウンドに入れない人たちがいるのに。頑張らないわけにはいかないですよね」

1年生は練習後も大忙し

―寮に戻ってからは
「まずご飯ですね。だいたい3年生とか、レギュラーメンバーが最後の方まで練習しているので、1年生が先に上がって準備して、ご飯を先に食べる流れ。食べ終わり次第、またグラウンドに降りてきて、やる人は自主練習をします。(午後)8時、9時くらいまでやって、すぐお風呂、洗濯、いろいろやって、9時半に点呼。その後に食堂でミーティング。それで10時前くらいになっているので、あとは10時半の消灯まで寝る準備です。10時半を過ぎたら、しゃべっていてもダメで、電気も消さないといけないし、布団に入っていないといけない」

 

憧れた寮生活 オープンスクールに応募

―広陵高校を選んだ理由は
「まず、寮生活がしたかった。親元を離れて、自分一人で生活がしたかった。(沖縄出身の)こっちからすると、(沖縄県外の人は)人種が違うようなものなんですよ。しゃべり方も違いますし、方言だったり知らない言葉もある。話すタイミング、リズムも違えば、人間性も違う。全てが違いました。僕は小学生ぐらいから、いつも同じ空気感で過ごすのではなくて、違うところに飛び込んでみたいなと思っていました。なので、基本的には県外の高校を考えていました。中学3年生になる時ぐらいに、たまたまインターネットで広陵のオープンスクールを見つけて。そしたら、父親も同じサイトをたまたま見ていて、家で食事する時にその話になって、見てきたらと言ってもらえて。じゃあ見てみたいという感じで。名門だし、ユニホームはかっこいいし、見てみたいなと思って、オープンスクールに応募したのがきっかけです。それで練習に参加して、施設、雰囲気が、見たことも感じたこともないものだったので、すごい圧倒されて、それが大きかったんじゃないかなと思います。スカウトとかは一切ないです」

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