阪神・門別に憧れる東海大札幌高のエース左腕・菅野隆世が6回無失点で春全道切符
■春季全道高校野球札幌支部(5月15日、札幌円山球場)
▽Aブロック代表決定戦 東海大札幌高9-0札幌創成 ※七回コールドゲーム
昨秋の全道準Vの東海大札幌高が、七回コールドゲームで札幌創成を下し、2年ぶり32度目の春の代表権をつかんだ。今季初先発したエース左腕・菅野隆世投手(3年)が6回被安打1、毎回の8奪三振無失点。2学年先輩の阪神・門別啓人投手(19)に憧れる左腕が、甲子園ロード前哨戦となる春の全道で16年ぶりの頂点を狙う。
独特のフォームから毎回の8奪三振
門別と同じエースナンバーを背負った菅野が、グラブをはめる右腕をだらりと下げた独特のフォームからキレのある直球を軸に三振の山を築いた。「今日は力強い真っすぐが行って、結構伸びてくれた。高めも振ってもらえた」と涼しげに振り返った。大脇英徳監督(48)も「ちょうど伸び盛り。この試合で、もうひとつ先が見えてきた。ナイスピッチング」とエースの力投をねぎらった。
野球部寮で見ていた絶対エースの背中
菅野は大樹中、門別は富川中。地方出身で軟式の北海道選抜代表と経歴も重なる。野球部寮では部屋も近く「朝早く走りに行ったりとか、裏での行動が印象に残ってました。レベルが高くて、自分が目指すべき姿」と絶対的エースを目指す。
センバツ甲子園がスルリ…昨秋の苦い思い糧に
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昨秋の苦い思いを糧にした。菅野はセンバツ甲子園出場を懸けた全道決勝戦に先発。四回まで4-0とリードしていたが、五回1死二塁から二ゴロを二塁手が一塁へ悪送球して1点失い、なおも1死一、二塁とピンチを広げ降板。後続もつかまり、六回に試合を振り出しに戻されると、延長十回タイブレークの末に9年ぶりの甲子園は遠ざかった。「あの試合、自分は抑えられている方だったんですけど、ボールが先行して球数が多くなってしまった。できるだけ球数を少なくして、長いイニングを投げられるピッチャーにならないといけない」と、冬の練習では、球数減を目標に制球力に磨きをかけ、長いイニングを投げてもフォームが崩れないよう、体幹を鍛え抜いた。
門別が行けなかった甲子園「あのマウンドに立ちたい」
門別が3年の夏は南北海道4強で、悔し涙をのんだ。「あれぐらいすごくても甲子園に行けなかった。それを超えないといけないですし、まずは門別さんに追いつかないと。甲子園は熱狂がすごいイメージ。あのマウンドに立ちたい」。夏10年ぶりの聖地を自らの左腕でつかみとる。
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