《大海の部屋》vol.03 伊藤大海が仲間について大いに語る 先発ピッチャー陣、女房役の素顔をぶっちゃけます!
〝大海目線〟で交流の深い8選手を紹介
日本ハム・伊藤大海投手(26)の連載手記「大海の部屋」第3回は、リーグ優勝、日本一を目指して共に戦う仲間たちを紹介します。チームメートだからこそ知る、あの選手の意外な素顔とは!? 道新スポーツデジタルが作成した相関図をもとに、日頃から接する機会が多い8選手について語り尽くしてくれました。
■松本剛外野手(30)
お隣さんの選手会長に全幅の信頼
エスコンのロッカーは扉を挟んで剛さん、横は北山です。前からちょこちょこ話してましたけど、剛さんとはロッカーが近くなって、より話すようになりました。その日の試合展開とか、こうなりそうだなとかいう話をしながら、登板日には『きょう何点ですか?』って聞きます。それがだいたい、当たるんですよ。ロースコアを予想して、『きょう2点』みたいな日もあるし。適当じゃないんです。ちゃんと見込みを言ってくれる。開幕戦は『4点取る』と言って、本当に4点取った。験担ぎじゃないですけど、登板日に僕と目が合うと、ニヤニヤしてきます。
チームを鼓舞する声かけ 「すごくいいなあ」
選手会長として、若い選手が多い中、あまり気負わせすぎず、明るくチームを引っ張ってくれています。ロッカーの雰囲気もいいですし、ゲーム中のベンチでの声かけ、守備に行く時、守備から戻ってきて攻撃に行く時の声かけは、耳に入ってきてすごくいいなあと思ってます。
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■加藤貴之投手(31)
優しさいっぱいの左腕 ネタ振りは全力で回避
ありきたりですけど、優しいです。気を使わせない天才というか、加藤さんがいると場が和むんですよね。ぼそっと面白いこと言ったり。面倒見いいですね。僕は絶対、何か振られたりしても絶対にやらないタイプ。加藤さんが振ってくるだろうなというタイミングで、先に僕が(北山)亘基とか金村に振るようにしています(笑)。
実は捕手泣かせ!? 「あのコントロールが欲しい」
ピッチングはタイプが違いますけど、勉強になりますね。自分のボールにブレないものがあるので、勝ってようが負けてようが、いつも自分のピッチングができる。キャッチャーが大変ですね。あそこまで変化球が良くて、コントロールがいいと、正解に近い配球をしないといけないので。どんな時でも自分の球を要求されたところに投げるっていうのはすごい。160キロとあのコントロールだったら、僕はあのコントロールが欲しいです。160キロを投げるピッチャーは世界にだいぶいますけど、あそこまで四球を出さないピッチャーはたぶん何人かしかいないですよ。
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■山崎福也投手(31)
風のように現れ風のように去る 謎多き左腕
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最近、しゃべるようになりました。話すんですけど、あの人はとにかく帰るのが早いんですよ。風のように帰るので、気付いたらロッカーが閉まっている。一番遅く来て、一番早く帰るので、話すタイミングがあまりない。あと、相づちが「へぇ~」、「あっそうなの」、「マジか~」とかなので、会話にならないんですよ(笑)。でも、ヒーローインタビューとか見ていると、良いこと言うじゃないですか。考えているんだな、中身は熱いんだなって。普段は謎に包まれていて、みんなあんまり深く分からない。(エスコンでの)残留練習は(午前)10時から始まって、12時くらいにご飯が来るんですけど、いつもロッカーでお弁当待ちしていますね(笑)。
目を見張る独特のテンポ
ピッチングは独特のテンポ感というか、いつ(ボールを)握っているんだろうなって。加藤さんもテンポいいじゃないですか。コントロールいいピッチャーはテンポがいい。僕とか北山とか一球一球めちゃくちゃ遅いので考えすぎるので。
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■北山亘基投手(25)
さすがは「教授」 学ぶべきことの多い後輩
尊敬できる後輩ですし、僕がいろいろ聞くことも多いです。コンディショニングとかも含め、自分の言葉で自分の考えをしっかり伝えてくれる。お互い、いい刺激になっているのかな、っていう感じはありますね。亘基はウエートとかは、あまりやらないんですよ。自分の体をうまく使うとか、うまく動かすことにフォーカスを置いている。僕はけっこうウエートをやる方なので、ウエートと、亘基の言う体の使い方を合わせたら面白いんじゃないかなと。自分で合うなと思うのをピックアップして、練習の合間やアップで取り入れるようにしています。
かめばかむほど… 上沢級のセンス
性格はまじめっぽいじゃないですか。甘いです(笑)。引き出してあげればあげるほど、良さが出てくるんですよ。そういうことも含めてまじめ。変な振りをしても絶対に返ってくる。真面目だから返ってくるのか、アイツは振りを待っているところもある。上沢さんっぽいセンスを持っています。
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■金村尚真投手(23)
うちなータイムを体現 でもかわいい後輩
マイペースですね。僕はかわいいなと思うんですけど。北山には、よく怒られてます。野球じゃない時の彼を見ているのが面白いですね。よく亘基に(車で)送ってもらうことが多いんですけど、30分に出るよと言ってたら、出る時間の30分に風呂入っているんですよ(笑)。平気で待たせる。(同じ沖縄出身の)上原さんも遅いなと思ったけど、そこまでじゃない。金村の方がマジでやばいです。全く申し訳なさそうにしない。だから最近、北山にめっちゃ怒られています。僕の(ロッカーの)隣はもともと(鈴木)健矢がいて、空きで亘基、金村だったんですけど、隣が空いたので北山が僕の方に逃げてきました。
ピッチングと私生活のギャップが魅力
金村は投げるのがすごく上手。キャッチボールとかでも、めちゃくちゃキレイ。ずっと同じ動きをして、ボールが返ってくるんです。そういう繊細さは持っているのに、っていう(笑)。そのギャップが面白い。僕には絶対、敬語を使うんですけど、北山にはたまにタメ口。僕は一応、リスペクトされている部類なのかもしれないです。
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■田宮裕涼捕手(23)
落ち着かせてくれる理想のキャッチャー
理想のキャッチャーというか、人それぞれ理想はあると思うんですけど、僕は好きですね。試合中、キャッチャーってだいたいコーチ、監督の近くに座っているじゃないですか。こっちからあまり行きたくないので、あっちから来てくれるキャッチャーじゃないと。僕がカッとなりそうな時とかでも、あのニコニコ(笑顔)で駆け寄ってくるので。いったん落ち着くんですよ。
成長著しい扇の要 「ピッチャーの心をくすぐる」
かわいいけれど、頼もしさもあります。去年もシーズン終盤に(バッテリーを)組んだんですけど、あの時と何かちょっと違うというか。彼がゲームを楽しんでいる。自信満々にサインを出してくるので、それも気持ちいいですし、迷いがなくなった感じがします。去年はちょっと、ぼや~っとサインを出す時もあったんですけど、なくなりましたね。リードは基本的に強気な方。インコースもよく使いますし、打たれた後、その次の打席でそのボールを多く使ったりとか。なんかピッチャーの心をくすぐるような燃えるようなリードをしてくれます。僕もいろいろ考えてやりたいタイプなので、キャッチャー任せにしたくない。試合前もどういうプランでいくか、試合後の反省も含め、話すことは多くなりました。でも、裕涼の私生活はまだ知らないです(笑)
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■河野竜生投手(25)
頼れるリリーバー 大人な振る舞いに感服
大人ですね。生活とか、ロッカー(の整理整頓)とか、丁寧な日々を送っている。毎日、同じことをちゃんとルーティンとしてやっているので、真面目なのか、きちょうめんなのか。しっかりしているというか、ブレないですね。成績にそれがそのまま反映されている。ボールもすごく強いですし、あれだけコントロールいいリリーバーはなかなか珍しい。リリーバーとして、初球に変なボールを投げているのを見たことないですね。よーいドンの1球目は本当いいなと思います。
楽しみなLINE 「自らふざけるタイプですよ」
表向きは見せないですけど、竜生は自らふざけるタイプですよ。面白いのが好きなタイプ。よくインスタ(グラム)のリール(ショート動画)、TikTokの動画とか、しょうもないやつをいきなり送ってくる。「お疲れ」もなにもなく、URLだけ送られてくるので、いつもそれに(笑)と返しています。結構、竜生からのLINEは楽しみ。オフの日の昼間とかに送られてきて、アイツも暇しているんだろうなって。
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■伏見寅威捕手(34)
みんなから慕われる〝ママ〟の素顔は赤ペン先生!?
寅威ママです。本当、ママです。やっぱり寅威さんとは結構、話をしますね。僕も寅威さんも、球場に来るのが早いんですよ。だいたい、僕かマンチュウ(万波)か寅威さん、(中島)卓さん。この前のピッチング、どう見えましたか、とか聞きますね。実際(バッテリーを)組んでいる時の見え方と、寅威さんの感じ方も求めるものも違ってくる。こっちの方が良かったですかねとか、いやーっていう。赤ペン先生的な。総評みたいな。裕涼はこれからの選手で、寅威さんは場数を踏んでいる。裕涼は次の試合の準備をしないといけないので、次の日じっくり反省できるのは僕だけなのでありがたいです。
誕プレを熟考中 「何をあげようかな」
12日は登板日だったので、寅威さんの誕生日プレゼントはこれから用意します。(昨年)僕は帽子をいただきました。何をあげようかな。
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