やっと!札幌が今季2勝目 先発復帰のDF岡村大八中心にチームで耐え抜き完封勝利
■J1第14節 札幌1―0磐田(5月15日、札幌ドーム)
『生き残る覚悟、勝利への執念を示せ』。この日、北海道コンサドーレ札幌サポーターが陣取るホームゴール裏に掲げられた、奮起を促す横断幕に応えるように、札幌イレブンは最後まで勝利への執念を持ち続け、4月6日のホームG大阪戦(1〇0)以来7試合ぶりとなる今季2勝目を挙げた。5試合ぶりに先発出場したDF岡村大八(27)はサポーターからのメッセージに「あれを書くぐらい気持ちがこもっていたと思う。その気持ちに対して、自分たちも一緒に結果を残せてよかった」と、サポーターも含めたチーム全員で、一丸となってもぎとった勝ち点3だと強調した。
誰かのミスしても全員でカバー
決して華麗なサッカーではなかった。試合を通して札幌には攻守でのミスが散見され、中には失点につながりかねないシーンもあった。それでも誰かのミスを全員でカバーし合い、G大阪戦以来となるクリーンシートを達成。岡村も後半2分にヘディングでのクリアを試みたボールをDF松原后(27)に先に触られてしまったが、FW菅大輝(25)のカバーリングに助けられた。「ミスはサッカーにおいて必ず生じるものですが、それをチーム全員がカバーし合って走ってやれたのが、(勝利の)一番大きな要因」と、仲間たちをたたえた。
先発外れた4試合「本当に悔しかった」
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4月20日のホーム広島戦中(1△1)に左脇腹の外腹斜筋肉離れを発症し、以降4試合で先発メンバーを外れた。「その4試合はチームとして結果が出ずに悔しかったですし、自分もピッチに立つことすらできないことが本当に悔しかった。あまりシーズン中にケガでいなくなることは(今まで)無かったし、この4試合は本当に苦しい思いをしました」。5試合ぶりの先発復帰戦となったこの試合で、いきなり190センチのブラジル人FWマテウス・ペイショット(28)と対峙することになったが、これまで封じ込めてきた幾多のパワー系FW同様、最後までゴールを許すことなくシャットアウトしてみせた。「ああいう選手に対して、僕は強みを出せる。自分としてもすごくいいパフォーマンスができたんじゃないかな」と胸を張る。
17位鳥栖まで勝ち点3差 とにかく連勝を
この勝利でチームは最下位を脱出。得失点差こそあるものの、J1残留圏の17位鳥栖まで勝ち点3差と、その背中ははっきり見えている。早いうちに降格圏を抜け出すためにも、中3日で迎える次節のアウェー柏戦(19日、三協F柏)は絶対に落とせない。「連勝することで上がっていけると思うので、次の試合も大事。アウェーだけど、勝ちを目指したい」。復活した〝北の番人〟が次節以降もクリーンシートを積み重ね、札幌反攻の原動力になる。