《荒木大輔のズバリ解投》心強い存在 終盤のマウンドを知る男
■パ・リーグ10回戦 日本ハム1-1ロッテ(5月17日、ZOZOマリンスタジアム)
攻略が難しい佐々木との対戦 価値ある引き分け
引き分けに持ち込んだと言ってもいい。相手の先発は球界を代表するピッチャーでもある佐々木朗希。なかなか攻略するのは難しい。それでも四回に松本剛が二盗、三盗を決めるなど、足技も絡めて打開策を探った。連勝中で勢いに乗っている日本ハムといえども、簡単ではない。本拠地のエスコンフィールド北海道とも違う。そんな中でも引き分けたのは大きい。
安定感抜群のリリーフ陣 盤石の継投策
リリーフ陣の好投が光った。先発に再転向して間もない金村が5回でマウンドを降りた。六回から継投策に出たわけだが、6投手がいずれも無失点に抑え込んだ。先発も含め、今季は実に投手陣が充実している。
左の河野と双璧を成す存在 過去にはクローザーも経験
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
中でも、杉浦が頼もしい。ここまで12試合に登板し、自責点0(失点1)で防御率は0・00を誇る。池田が離脱している中で、確実に終盤を任せられる存在になっている。もともとクローザーの経験もある。緊張感が漂う終盤のマウンドにも順応できている。左の河野と並んで安定感は抜群だ。
投球の幅を広げたプロ11年目の32歳
ストレートとフォーク、時々スライダーという印象があった杉浦だが、今季はカットボールやツーシームも良い。曲がりながら落ちているのがカットなのだろう。投球の幅が広がっている。昨季は24試合の登板にとどまった。今年に懸ける思いも相当なはずだ。
各ポジションで激しいレギュラー争い
そして競争。すべてのポジションにおいて層が厚くなっている。結果を出せなければ鎌ケ谷(2軍)。互いが刺激し合っていることがプラスに働いている。金村にしても二、三回と少々、コントロールに苦しみながらも5回1失点。少しずつ球数を増やすことができている。一歩ずつ確実に、先発のコンディションに戻せている。
甘くないプロの世界 乗り越えられるか野村
気になるのが野村。試合前のバッティング練習を見ていて、強引さが目立った。結果を出したいがために力が入っているのだろう。ただ、ここを乗り越えなくてはポジションをつかめない。プロの世界は甘くはない。
心配な右肘への死球 「大事に至らないことを願う」
そして田宮。しっかりとヒットも出ているし、12回で1失点。リード面でも評価できる。だからこそ、七回に受けた右肘への死球が心配だ。その後のスローイングを見る限りでは大丈夫そうだが、時間がたって水がたまったりしたら厄介だ。大事に至らないことを願う。