コンサドーレ
《こぼれ球》古巣を温ねて今を知る
11日に行われたアウェー川崎戦。現地取材には先輩記者が行くことになり、仕事が休みになったため、個人的にアウェー遠征を実施して久しぶりにゴール裏で試合を観戦した。
2022年10月8日のホーム福岡戦以来、約1年半ぶりとなるサポーター席。記者席に座って静かに戦況を見つめる習慣がすっかり身についたこともあって、応援歌を歌おうと声を張り上げればせき込み、跳びはねても早々に体が悲鳴を上げるなど、さまざまな面で自らの衰えを実感させられてしまった。
試合は0-3で完敗と悔しい結果に終わった。それでも行って良かったと思えたのは、現在のサポーターを取り巻く雰囲気を、直接肌で感じられたからだ。3失点を喫した前半終了時にはさすがにゴール裏全体からブーイングが飛んだ。それでもサポーターたちは後半も諦めることなく声を出し続け、試合終了後に選手たちを迎えた際には、前向きに奮起を促す声が方々から聞こえてきた。
試合終了時点で最下位と苦境に陥る札幌だが、アウェーの地に駆けつけたサポーターの、衰えることのない闘志とチームを支える献身性を至近距離で感じることができたし、その気持ちが次節ホーム磐田戦での勝利にも一役買ったと思っている。
どうしても日々の取材活動の中では選手との接点が多くなり、視点も選手側からになりがち。だが、読者の皆さんがどういう心情を抱いてニュースを読むのかを理解していないと、見当違いの独り善がりな記事になってしまう。川崎戦のゴール裏で触れた雰囲気を、今後の取材の中で生かしていきたいと思った一日だった。