《岩本勉のガン流F論》プロ1年の昨季とは別人 めちゃめちゃ心強い
■パ・リーグ11回戦 日本ハム4ー6ロッテ(5月18日、ZOZOマリンスタジアム)
スコアブックは物語る 赤ペンが走ったロッテ
一回に4点を奪った速攻は見事だった。ただ、その後はスコアボードに「0」が並んだ。野球とは面白いもので、スコアブックがすべてを物語る。ロッテ側に(安打を表す)赤ペンが走っている。一方の日本ハムは五回以降、赤色がなし。毎回安打のロッテにジワジワと迫られ、最後はひっくり返された。
ターニングポイントとなった四回のバント失敗
明らかに流れが変わった瞬間があった。4―1の四回だ。追加点が欲しいところで、今川と上川畑の連打で無死一、二塁とした。ここで水野が3バント失敗。これが痛かった。これまでバントを積み重ねて勝ってきたのがファイターズ。それが決まらなかったのでは当然、勝機を逸してしまう。続く1番の野村はゲッツーと完全に流れを明け渡してしまった。
尻すぼみゲームの中にあった収穫
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意気消沈のチームは五回以降、無安打。尻すぼみゲームとなった。ただ、そんな敗戦の中でも収穫はあった。矢沢だ。六回2死一、三塁のピンチで出てきてポランコを二ゴロ。回またぎの七回は先頭のソトに左前打されたものの、結果的に後続を打ち取った。
大きな違いは初球 打者にとって厄介
投手としての矢沢。プロ1年目の昨季とは別人だ。その理由は初球にある。ストライクにせよ、ボールにせよ、直球だろうが変化球だろうが、自身のフォームで迷いなく目いっぱい腕を振れている。これが打者にとって厄介だ。放たれた球を見極める前の段階で、体が反応し、バットが出てしまうのだ。それだけ身のこなし鋭く投げられているということだ。
1軍に昇格した当初は「ビハインドの場面で、どのぐらい投げられるだろうか」といった見られ方だったはずだ。それが投げるたびに結果を出してきた。リリーフ陣の充実はチームにとって、めちゃめちゃ心強い。
リリーフ陣の強化につながった金村の好投
矢沢ら中継ぎ陣を強くさせた一人が先発に再転向した金村だ。今季開幕からタフな場面で投げ続け、周りのピッチャーが投げやすい環境を整えてきた。
まだ貯金は「6」 仕切り直しに期待
さあ、これで今カード1分1敗。次戦が大事だ。まだ貯金は「6」ある。焦る必要はない。しっかりと仕切り直してもらいたい。