1番に入った野村佑希が11打席ぶり快音! 八木打撃コーチの助言を胸に「数字も数字ですし、吹っ切れた感じでいきたい」
■パ・リーグ11回戦 日本ハム4ー6ロッテ(5月18日、ZOZOマリンスタジアム)
一回に先頭で左前打 打線は一挙4得点
1本のヒットが、何よりの良薬になる。日本ハムの野村佑希内野手(23)が18日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦に「1番・一塁」で先発出場。第1打席でいきなり左前打を放ち、一挙4得点の猛攻を呼び込んだ。
長く不振にあえぐ若きスラッガーが復調のきっかけを手に入れた。
好相性の助っ人左腕から猛攻の口火
5月11日のロッテ戦以来11打席ぶりに快音を響かせた。メルセデスの直球を振り抜くと、球足鋭い打球は三塁手・中村のグラブを弾き、レフト前へ。後続も長短4安打を集め、大量得点でゲームの主導権をつかんだ。
対戦相手のメルセデスは、試合前時点で防御率1・03。今季未勝利ながら抜群の安定感が光っていた。そんな好投手を野村は苦にすることなく、昨季は13打数6安打と打ち負かしている。
自身も実感 「アプローチの仕方やタイミングが合うのかも」
この試合でも相性の良さを示し「ラッキーヒットもあって全部が全部(内容が)良いわけではないけど、アプローチの仕方やタイミングが合うのかもしれない」と要因を自己分析した。
効果は抜群 新庄監督の〝激励采配〟
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〝魔法の一手〟を、ボスからのメッセージと受け止めていた。新庄監督は今季、奮起や復調を促したい選手を1番で起用することが多い。ナインも将の期待に応え、4月5日の西武戦では加藤豪が4安打の固め打ち。5月11日のロッテ戦では万波が、2安打2打点の活躍でチームを勝利に導いた。
腹をくくった若きスラッガー 「自分から攻めていこう」
野村は「ここまで全然、数字が残ってないのに、使ってもらっている。そういう計らいを感じたし、何とか期待に応えたいと思っていました」と指揮官の思惑を意気に感じ、打席へ向かった。「(1番は)いろいろ考えることがなくなって『もういくしかない。自分から攻めていこう』ってシンプルな気持ちになりやすい」と、その効果を実感する。
背を押された八木コーチの助言
首脳陣は優勝に欠かせないピースとして、高い期待を抱いている。悩めるスラッガーに勇気を与えてくれるのは、八木打撃コーチの言葉だ。
「八木さんからは『もうええやろ。振ったらええやん』と言われています。自分の課題は形を気にしすぎてしまうところ。数字も数字ですし、そのへんは吹っ切れた感じでいきたい。まだまだ体現できないことも多いけど、(思考を)シンプルにできればいいなと思います」
敗戦の中に意味のある1本 さらなる飛躍へ
チームは悔しい逆転負けを喫した。それでも野村にとって、1本の安打が持つ意味は大きい。
「いろいろ修正しながら、これから何本も何試合も、連続で打てるようにしていきたい」。つかまえた上昇気流に身を任せ、力強い打撃を取り戻す。