清宮幸太郎 9カ月ぶりアーチも「まだ全然、満足できるスイングじゃない」
■イースタン・リーグ7回戦 ヤクルト4ー3日本ハム(5月18日、鎌ケ谷スタジアム)
笑顔なき今季第1号 一回にライト芝生席へ先制弾
まだ復調の途上だ。日本ハムの清宮幸太郎内野手(24)が「3番・一塁」で先発し、一回に右翼へ今季1号となる先制ソロを放った。昨年8月27日の1軍西武戦以来、約9カ月ぶりの一発。それでも「感触は全然、良くなかったです。まだ全然、満足できるスイングじゃないですね」と笑顔はなかった。
負傷で出遅れたプロ7年目 今季1軍でノーアーチ
春季キャンプ直前に左足首を捻挫し、高卒7年目はスタートからつまずいた。3月20日に2軍で実戦復帰し、1カ月後の4月19日には1軍昇格を果たしたものの、打撃の状態は上向かず。9試合に出場して24打数2安打、打率.083で、本塁打は1本も打てないまま5月6日に2軍降格が決まった。
新庄監督から指摘 足りない〝どっしり感〟
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新庄監督からは降格前に「(下半身に)どっしり感がない」と指摘された。鎌ケ谷では稲葉2軍監督からも助言を受けながら〝どっしり感〟が足りない原因を探った。
稲葉2軍監督とともに課題に向き合う日々
「稲葉さんはいろいろ話を聞いてくれますし、会話しながらできています。僕の良い悪いを見てきてくれているので、話しやすいですね」
スイング動作のデータも分析し、「力が抜けると全然、良いスイングができていない。今は(軸足になる)左足への乗り方を意識しています。どう乗れるかが大事」と課題に向き合っている。
ホームランよりも理想のスイング
人一倍、本塁打に強いこだわりを持つ。それでも今は「ホームランが出る、出ないというよりかは、良いスイングができないと」と、アーチの数ではなく、理想のスイングを追い求める段階にある。
結果が出ない日々を「体が全然、思うように動かないことが続いていた」と振り返り、最近は改善のため初動負荷トレーニングの施設へ通い詰めている。
1軍の試合は当然チェック 募る悔しさ
1軍の試合は、もちろん見ている。ただ、複雑な思いも抱えている。「勝ったらうれしいですけど、僕の調子が良ければな…という感じで。本当に、僕次第ですね」と悔しさをにじませた。
指揮官の期待は重々承知 誰もが待ち望む看板直撃弾
今季、本拠地のエスコンフィールドには、直撃の本塁打を放てば111万円の賞金がもらえる看板が設置された。発案者の新庄監督は「うちのチームで言ったら、(右翼側の看板に当てる)チャンスがあるのは清宮くん」と期待を込めてコメントしていた。
現状、チームは2位と好調だが、打線に左の長距離砲がいない。清宮は「早くあの看板に当てないといけないですよね」と、笑顔で再昇格への意気込みを口にした。
ホークス追い上げへ欠かせない長距離砲
この日は本塁打を含む2安打と復調の兆しを見せたが「もっと良くなると思います」と力を込める。
出遅れはしたが、シーズンの勝負どころはこれから。背番号21が本調子を取り戻せば、首位ソフトバンクにかみつく大きな武器になるはずだ。