江別ブルーインズがコールド負け寸前から大逆転して初陣初勝利【都市対抗野球・道地区予選】
■都市対抗野球北海道地区1次予選(5月18日、江別・野幌総合運動公園硬式野球場)
▽1回戦 江別ブルーインズ9-8TRANSYS ※九回サヨナラゲーム
今季から本拠地を札幌市から江別市に移した江別ブルーインズが劇的サヨナラ勝ちで初戦を突破した。八回表終了時点でTRANSYS(千歳市)に0-8とコールドゲーム寸前だったが、その裏に一挙6点を返すと九回には同点に追い付き、なおも無死満塁から6番・小笠原大晃(30)の決勝打が飛び出して激闘に終止符を打った。2回戦は5月25日、東北海道サンライズ(釧路市)と対戦する。
初陣に江別市長も駆けつけた
江別市の後藤好人市長(63)が応援に駆けつける中、奇跡の大逆転で2回戦に駒を進めた。相手先発に七回まで2安打に抑えられていたが、投手が代わった八回をきっかけに打線が目覚めて一気に形勢を逆転した。
一度は引退も考えた小笠原が人生初のサヨナラ打
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九回裏、同点直後の無死満塁、小笠原の打球が一、二塁間を抜けると一塁側ベンチからチームメートが勢いよく飛び出した。人生初のサヨナラ打を放った小笠原は、「やめられないっすね。やっぱ野球は面白い。八回くらいから、なんかニヤニヤしちゃってました」と声を弾ませた。3年前には一度、硬式野球を引退することも頭をよぎっていたというが、札幌日大高の先輩・西垣類新監督(40)から「まだやれるんだから一緒にやろうよ」と誘われ、移籍しての現役続行を決断。節目の一戦でヒーローとなった。
練習から勝ちにこだわり、諦めない姿勢を植え付ける
指揮官としても初陣初勝利だ。「(点差が付いても)ファイティングポーズはずっと取っていこうと話をしていた。選手がよく最後まで諦めずにやってくれた。今年は練習から勝ちにこだわって、ずっと諦めない姿勢ということをやってきたので、試合でも結果として出て良かった」と表情を緩めた。後藤璃空主将(26)も「こんな大逆転は経験ないですね。初めてです。正直、想像できなかったです」と興奮気味に振り返った。
札幌日大高OBが多数在籍
指揮官を始め、この日リードオフマンを務めた東海林泰成左翼手(26)など札幌日大高OBが多数在籍する。決勝打の小笠原も2012年の高校野球南北海道大会準優勝時の三塁手。「(3回戦から登場する)北海道ガスに東海林の兄貴がいて、兄弟対決をさせてやりたい。2人とも日大でも後輩なんで。東海林の夢らしいので、後輩の夢を助けてあげたい」と次戦を見据えた。
昨年は2回戦で、4強入りした札幌ホーネッツに惜敗した。社会人野球のチームとしては江別市に31年ぶりに誕生したブルーインズが、打倒・企業チームへ、勢いを付けた。