初陣トッキュウブルーローズが快勝発進 元中日の遠田監督「よう頑張った」【都市対抗野球・道地区予選】
■都市対抗野球北海道地区1次予選(5月19日、江別・野幌総合運動公園硬式野球場ほか)
▽1回戦 トッキュウブルーローズ4-1小樽野球協会
恩師・星野仙一と同じ背番号77
昨春結成のトッキュウブルーローズが初陣初勝利を飾った。元中日の遠田誠治監督(60)の背番号は恩師・星野仙一元監督と同じ77番。大学や高校を卒業したばかりの選手が集まった若いチームを束ね、勝負に挑んだ。「オープン戦はやっていたかもしれないけど、ゲーム勘自体がね。大学でも本当にレギュラーでバリバリ最後までっていう選手もいなかった。でも、よう頑張ったんじゃないですか」。1失点完投勝利した西田貴征投手(22)からウイニングボールを手渡されると、大切にポケットにしまい込んだ。
西田投手は中学以来の完投勝利
記念すべき初陣を任された西田投手は北星大付高ではベンチ入り未経験。千葉・城西大でも主に中継ぎで完投もなく、未勝利。「社会人で地元が近いので両親に見てもらいたいと思って北海道に戻ってきました」。セレクションを受けた段階で先発転向を告げられ、「大学引退後に体力づくりで投げ込みとかフォーム改造に取り組んで、長いイニングも投げられるように力加減とかを分析している。やっと少し掴みかけてきてる」。中学以来という完投勝利で自信を深めた。
対外試合の初戦は大学生に完敗も右肩上がりにチームが成長
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苦しい船出だった。4月13日に行われた対外試合の初戦は札幌学生連盟1部の北海学園大が相手で、結果は0-6と完敗。「大学生のピッチャーの速いボールを見られたっていうのはプラスだったかな。変に最初から勝って、勝って、って行っちゃうと負けた時に大変だなと。大学生に負けちゃったね、っていうところから始まった方がチームが締まるという気はしていた」。その指揮官の思惑は的中。そこから7試合未勝利だったが、初勝利を挙げてからは3連勝と右肩上がりで本番を迎えた。
2回戦は函館太洋俱楽部が相手
今月25日の2回戦は道内最古となる118年目の函館太洋俱楽部。指揮官は北海高卒業後にプロ入りする前に新日鉄室蘭でもプレーしており、「歴史のあるチームばっかりなので」と苦笑い。続けて「他のクラブチームさんよりは練習していると思うので、やっぱりその分、それなりの結果を出さないとダメ。まずは(3回戦から登場する)札幌ホーネッツとやる。あそこまで行くと勝っても負けてもまた次はある」と2次予選進出を視野に入れる。西田も「自分が任された試合は完投して勝てるように頑張ります」。岩見沢市に70年以上の時を経て誕生した〝遅れてきた新人〟が、臆することなく番狂わせを起こす。