ドラ1左腕の細野晴希 プロ最長4回⅔を自責0 制球力向上の裏に伊藤&金子コーチの助言
■イースタン・リーグ8回戦 ヤクルト4ー9日本ハム(5月19日、鎌ケ谷スタジアム)
勝利目前の降板も納得の内容
日本ハムのドラフト1位ルーキー・細野晴希投手(22)が先発し、プロ入り後最長の4回⅔を投げ、2安打2失点(自責0)と好投した。
球数64球と、メドにしていた60球を超えたため〝プロ初勝利〟目前で降板となったが「(4回1失点だった)前回に引き続き、良かったと思います。(降板は)球数だったので、仕方ないですね。(初勝利は)次回にお預けということで」と、さわやかに笑った。
出力調整でテンポ良く投球 「うまいこと(力を)抜きながら」
出力を自在にコントロールし、2軍ヤクルト打線を翻弄した。「全部を思い切り投げていたら(体力が)もったいないので、うまいこと(力を)抜きながら」と、序盤は140キロ台後半の直球を主体に、テンポ良くカウントを稼いだ。一、二回を3者凡退に抑えると、三回2死二塁のピンチも難なく切り抜けた。
ギアアップも自由自在 誇れる無四球
ギアを上げたのは、四回に2死を奪った後だ。「あそこは梅林さんから、2死を取った後のバッターに、簡単にいくなよと言われたので、力を入れて投げました」。女房役の注文に応え、次打者・鈴木への初球にこの日最速の152キロを計測。最後は150キロで空振り三振を奪った。
五回に味方の2失策が響いて2点を失うも「(ストライク)ゾーンの中で勝負することをテーマにやっていました。ストライク先行でいけていたので、良かったと思います」と四死球「0」の内容に胸を張った。
課題克服へ着々 生かしたコーチ陣のアドバイス
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東洋大時代は制球力に課題があると評されたが、現在は改善の兆しを見せている。成長のヒントになったのは、2軍コーチ陣からのアドバイスだった。
「伊藤(2軍投手)コーチ、金子(同)コーチと、いろいろ話しながら(課題克服のための練習を)やってきました。2人から、『(投球時に)キャッチャーをちゃんと見ようと思うと、体が開いてしまうから、ぼんやり眺めた方がいいよ』と教えていただいた。大学の時から、良い時は(投げる時に)一塁側のフェンスの文字を読んだりしていたんです。悪い時はどうしても、(コースを)狙わなきゃと思って、(捕手のミットを)じっと見て、どんどん(体が)開いていた。あんまりキャッチャーの方を見ないようにしたら、意外といい球が行く。いいバランスで投げられています。今は、一塁コーチャーとかを見ながら投げています」
〝朝活〟からスタートする野球漬けの日々
鎌ケ谷での寮生活にも慣れ、最近では〝朝活〟に力を入れている。
「大学時代よりも、日常生活の中で野球のことを考える時間が増えました。一番変わったのは、朝の準備ですね。こんなに朝に準備してから練習に行くことはなかった。シンプルなんですけど、6時ぐらいに起きて、散歩をして、風呂入って、自分の部屋で体のチェックをして、練習に行く。今、新人は、まとまって朝に散歩をしているんですけど、僕はその前から歩いて、途中でみんなと合流するようにしています。どうせ歩くなら、ちゃんとやりたいので、2、30分は歩くようにしています」と、野球と向き合う日々に充実感をにじませた。
千里の道も一歩から 着実に歩むサクセスストーリー
早く1軍に上がることよりも、大エースになるための土台をづくりを重要視している。
「今、1軍でやるイメージはまだできないですね。とにかくファームでちゃんと思い通りの結果を残してから。じっくりやっていきます」。今はまだ、大きな山を登り始めたばかり。はるか先にある山頂へ、確かな足跡を刻んでいく。