星槎道都大の148キロ左腕・佐藤爽が今季3度目の完封で2季ぶりVに王手【札幌6大学野球】
■札幌6大学野球春季リーグ戦(5月21日、江別・野幌総合運動公園硬式野球場)
▽第2節第5日 星槎道都大3-0北海学園大
北海学園大との首位攻防戦
星槎道都大のプロ注目左腕・佐藤爽投手(4年、札幌山の手)が今季3度目の完封で5勝目を挙げた。7勝1敗で並ぶ北海学園大との首位攻防戦を3-0で制し、2年連続19度目の春季リーグ優勝に王手。最終日の22日は札幌大との対戦となるが、敗れたとしても北海学園大の勝敗次第では優勝が決まる。もし同率で並んだ場合は翌23日に優勝決定戦が行われる。
右打者へのクロスファイヤーは元巨人・高橋尚成よりも上?!
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佐藤爽が右打者膝元付近へのクロスファイヤーを武器に、スコアボードにきれいに「0」を並べた。七回くらいから、左ふくらはぎをけいれんしながらの投球となったが、最後までマウンドは譲らなかった。
北海学園大には5月5日の1度目の対戦でも完封しており、この試合では右打者がベース寄りに立って対応してきた。四回までに死球を3つ出してしまったが、「左ピッチャーが右バッターのインコースを捨てたら、もういいものはない。正直、当ててもいいぐらいの気持ちで投げていたら、たまたま当たってしまった」。
被安打は6本。何度か得点圏に走者を背負ったが、8奪三振と要所を締めて北海学園大打線に付け入る隙を与えなかった。
昨春は4勝0敗で最優秀投手賞
2年時からリーグ戦で起用されてきた。昨春は広島入りした最速153キロ左腕・滝田一希投手(22)や社会人の東京ガスに入った伊東佳希投手(22)がいた中、打者との二刀流をこなしながら4勝0敗で最優秀投手に輝いた。元巨人の二宮至監督(70)もこの日は絶賛する内容だった。「あいつ(佐藤爽)はもう柱だから。クロスファイヤーのコントロールもいいので、なかなか打ちづらい。元巨人の高橋尚成、ああいう感じ。尚成よりもちょっといいかな。あそこに投げられる左投手はいない」。巨人やメジャーリーグなど日米通算93勝を誇る名投手を引き合いに出すほど惚れ込んでいる。
日本ハムなど5、6球団が注目
これで佐藤爽は、春は通算38回⅓を投げて自責はわずか2。30回⅓連続無失点中で防御率は驚異の0・47をマークしている。日本ハムなどNPB5、6球団が注目しており、「一番はプロに行きたいけど、去年の滝田さんを見てると、球速の部分や精神面だったりは本当にまだまだ。もうちょい球速が欲しいな」と自己評価は厳しい。
最終戦はブルペンで待機
この日の北海学園大戦では137球を投げ、疲労は確実にたまっている。最終日の札幌大戦へ向け、指揮官は「どうなるかは分かりませんが、ブルペンで待機。最後だから」と、幕切れはエースに任せるつもりだ。佐藤爽も「行くぞって言われたら、本当にいつでも行けるように準備をしたい」。期待に応えるべく、エースが出番を待つ。