【プレーバック・写真入り】ルヴァン杯3回戦 AC長野パルセイロ1-1(PK3-5)札幌(5月22日、長野Uスタジアム)
後半残り数秒で劇的に追いつき 12年前と同じPK戦でリベンジ
J1北海道コンサドーレ札幌はルヴァン杯3回戦でJ3のAC長野パルセイロと敵地で対戦し、前後半90分、延長戦でも1-1と決着が付かず。PK戦の末に5人のキッカー全て成功させた札幌が5-3で勝利した。札幌は6月5、9日にホーム&アウェーで行われるプレーオフラウンドに進み、J1ヴィッセル神戸を下したJ3カターレ富山と対戦する。
長野はJ2徳島、J1京都を下して勝ち上がり、ホームで戦った直近のリーグ金沢戦からは中3日ということもあって2人の先発メンバーを入れ替えたのみ。対する札幌はリーグのアウェー柏戦から中2日。前節に先発した選手は帯同させずに全ての選手を入れて替えて試合に臨んだ。
試合開始序盤は札幌がボールを支配して主導権を握ったが、徐々に長野のカウンターの鋭さが増してくる。前半18分にはゴール前からのバックパスに反応した相手MF小西にバイタルエリアやや右からミドルシュートを打たれて先制を許した。
ハーフタイムにはMF小林祐希(32)、DF岡田大和(22)を2枚替え。18歳のFW出間思努、MF原康介を入れて攻撃の活性化を図った。後半は長野時間帯となることが多かったが、終了が近づくにつれて札幌が息を吹き返していく。
0-1のまま、後半のアディショナルタイムは6分と表示された。それでも最後まで諦めなかった。残り数秒、最後のワンプレーのところでMF田中克幸(22)がペナルティーエリア手前やや右から左足ミドルシュートを放つと、ゴール前に攻め残っていたDF家泉怜依(24)の足に当たって方向が変わった。シュートの軌道だった左方向に反応していた相手GKは動けず、ボールは逆側のゴール右に転がって入った。札幌は土壇場でJ1の意地を見せ、1-1の同点に追いついた。
延長戦は、両チーム疲れからか決定機をなかなか見いだせない。延長後半4分には疲労から足をけいれんさせた家泉に代わって札幌U-18所属のMF川崎幹大(17)が途中出場し、Jリーグデビューを果たした。
120分を戦っても勝敗は付かず、勝負の行方はPK戦に持ち込まれた。札幌は5人全てのキッカーが成功し、長野は4人目のキッカーが失敗。2012年の天皇杯2回戦(札幌厚別)では当時JFLの長野にPK戦の末に敗れたが、12年ぶり2度目の対戦で奇しくも同じPKのスコア、5-3でリベンジを果たした。
■先発出場して120分出場したMF長谷川竜也(30)
「準備する時間、チームとして合わせる時間も正直取れなかった中で、前半相手に主導権を握られましたけど、みんなで声を掛けて0-1で崩れずに戦ったからこそ、後半の最後に点を取れたと思っています。自分たちが求めている圧倒的な攻撃をして勝つということはできなかったけど、本当にたくさん悔しい思いをした選手たちが、この試合のために奮起して、絶対勝ってやるんだという気持ちが出た、非常に良いゲームだったなと思います」