ファイターズ
《ハム番24時》5月23日
一躍、スター候補だ。オリックス戦の試合前に新庄監督が、バント練習を終えた郡司の元へ歩み寄ってきた。本人へ声をかけるのかと思いきや、指揮官は周囲にいる報道陣へ向けて「オールスター選手だから、気安く話しかけないでね(笑)」と一言発して、きびすを返した。
すっかりレギュラーに定着した背番号30は今季、球宴ファン投票の中間発表でパ・リーグ三塁手部門のトップを独走中。初の球宴選出へ向けて、順調に前進している。
ボスと報道陣とのやりとりを踏まえた上で、記者は少しふざけて、郡司に恐る恐る話しかける振りをしてみた。すると「そういう扱いをするのは止めてください!最終的にまくられて、出られなかったら恥ずかしいし、僕はすぐ調子に乗ってしまうので」と苦笑交じりに、自らを戒めた。
謙虚な男はスターダムを駆け上がる現在も、初心を忘れていない。「(球宴出場の可能性を)想像もしていなかったです。去年の今頃は、2軍のナゴヤ球場にいたので。きのう鈴木博志さんが投げて、僕やアリエルが対戦している時は、中日の紅白戦かと思いましたもん。それが1年後に、まさかエスコンでプレーしているとは…」。長い下積みを経て、輝く今がある。もっともっとスポットライトを浴びてほしい。