■５月２３日、札幌ドームサブグラウンド

　サブ組も一丸となって苦境を脱却する。北海道コンサドーレ札幌は２５日の鹿島戦（札幌ドーム）に向けて、全体練習を行った。２２日に行われたルヴァン杯の長野戦（長野Ｕスタジアム）に出場したメンバーはリカバリーに時間を費やした。チームはＭＦ浅野雄也（２７）やＭＦ青木亮太（２８）ら負傷者が増えており、苦しい台所事情となっている。ＤＦ中村桐耶（２３）も長野戦に１２０分フル出場したが「思ったより大丈夫そう」と中２日での出場に意欲を見せた。

ＰＫ戦まで戦い抜いて中２日

　フル回転もいとわない覚悟だ。２２日はＰＫ戦までもつれた激闘を制した。中村も左ＣＢで１２０分間出場し、ＰＫキッカーも務めるなど、ルヴァン杯プレーオフラウンド進出に大きく貢献。「うまくいっていない中で、けが人も出てきて苦しい状況になってしまっているので、そこをいかに打開できるか。今シーズン、上がっていくための重要な試合になると思います」とサブ組中心で生み出した勢いをリーグ戦につなげなくてはいけない。

１９日柏戦で苦い失点

　１９日の柏戦、中村は後半１６分から左ＣＢで途中出場。ドリブルで持ち上がるなど、攻撃面でも存在感を示したが、後半アディショナルタイムに悪夢が待っていた。自陣のペナルティーエリア付近でＤＦ馬場晴也（２２）がボールを持つと、馬場は近くにいた中村にパスをつないだが、連係がうまく取れず、相手にボールを奪われて勝ち越し点を許してしまった。

「とっさの場面。もっとコミュニケーションを」

　「とっさの場面で奪った瞬間のトラディションの部分なので、そこは難しいところはある。あのシーンに関しては僕も馬場も意思疎通が取れなかったのは痛いな、というのはあるし、もっと普通にやった方がいい、というのもある。チームとして、あそこはつなぐようにしている意図もあるので、その状況でチームとしての方向性を、試合中でも、もっとコミュニケーション取った方がいいと思いました」

難敵・鹿島倒して浮上のきっかけに

　次節は相性の悪い鹿島が相手となる。２０２０年１０月１８日のリーグ戦で勝利して以来、カップ戦含めて８試合対戦し５敗３分けと圧倒されている。今季もリーグ戦で３位に付けており、直近６試合負けなしで５勝１分けと好調だ。「相手のＤＦ陣は堅い守備をしてきますし、どっちかというと１点を争う試合になると思うので、今までのような後半の終盤の失点や、立ち上がりの緩い失点は絶対になくさないといけない」と気を引き締めた。難しい試合になると予想されるが、浮上のきっかけにするにはうってつけの相手。今いるメンバーが一枚岩となって、難敵に挑む。