【連載コラム】マシンガンズ西堀のそぞろ歩き⑧ 〝Mr. THE SECOND〟我々はシード権を失った
何やってんだ! すぐに負けてんじゃないよっ! 今回のそぞろ歩きはTHE SECONDの話=撮影・小田岳史
THE SECONDは優勝したガクテンソクに完敗「1ミリの悔しさもない!」
西堀亮です。「THE SECOND」はノックアウトステージ16→8で優勝したガクテンソクに負けました…。ガクテンソクは強かった! やっぱり最後に勝つのはちゃんと頑張ったやつ。ザ・パンチもすごかったな。ガクテンソクには何が原因で敗れたっていうのは言い切れないんだけど、あれ以上の完敗はないから、1ミリの悔しさもない!
決勝はタイムマシーン3号を応援
グランプリファイナル当日は、太田プロ芸人で集まってタイムマシーン3号を応援しました。去年、我々を応援してくれたので、やるか! みたいな感じで後輩たちに声を掛けました。アルコ&ピースの平子や、ぐりんぴーすを呼んで、結局10人以上で見てたかな。でも、タイム(マシーン3号)もすぐ負けたから、その後が長くてね(笑)。去年の我々じゃないけど、決勝まで行っていれば一番楽しいんですよ。でもすぐ負けたから、もう自分たちで「推しをつくって応援しよう」っていうわけの分からないことになってたよ。
敗者には後輩も「何やってんだ!」
タイムが負けたら、みんなボロボロ言ってた。平子はまだしも、後輩までも「何やってんだ!」って。敗者に厳しい世界。「何やってんだよ、きょう1日長いだろ!」「このあと3時間も見るのか!」とか、みんな言いたい放題(笑)。でも楽しいイベントだったな。久々にライブの打ち上げみたいな気持ちになって懐かしかった。やっぱり身内が1組でも出てくれると盛り上がる。決勝まで行ってくれれば、より楽しめる!
ザ・パンチの主人公感 割とニン
準優勝したザ・パンチは主人公感がありましたよね。「THE SECOND」はやっぱりニンの出る組が強い。でも改めて3本のネタってやっぱり難しい。去年の我々も、今年のザ・パンチも割とニンだと思うけど、ニンで3本は続かない。もし我々がグランプリファイナルに出られていたら、単独ライブもやったから、3本のネタはできたと思う。でも見ていて、勝てる気はしなかったな。やっぱり1回目は何だかよく分かんないけど、ニンが出ている感じが強かったんだと思う。今回は本当に強い人しか残っていない感じがした。1回戦からハンジロウも金属バットも壮絶な打ち合いだったしね。
ここ10数年で一番ネタ作った
「THE SECOND」に出ることを目標にしていたから、この1年間はここ10数年の中でも一番ネタを作ったんじゃないかな。単独ライブでも「THE SECOND」でやるために作ってましたからね。頑張った1年になったな~。
自虐ネタの質も変わったけど
でも、お客さんの反応は全然違った。去年はほぼゼロ認知から始まったと思うけど、今年は準優勝した人。そこから違うから。自虐の質も変わったというか、前は「苦労してます」の一点張りでいったけど、今回は「仕事でうまくいかない」っていうネタにはしたんだけど、どっかで「贅沢な悩みだな」っていうツッコミが入っていたのかもしれない。
アラがあって上手くない 技術に頼らない荒々しい漫才が…
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瞬間のウケでは結構いけた気がしたけど、ネタをトータルで採点すると、やっぱりガクテンソクみたいにちゃんと積み上げた方が点数は入りますよ。どの賞レースでもそうなんじゃないかな。アラがある方から点を削るっていうか。でも俺はそれがまたいいなと思うんだよ、アラがある漫才って。上手くない、技術に頼っていないような、荒々しい漫才が好きだな。
あれはいいコメントでしたね~
来年も出ますよ! 審査員の方が我々を「Mr. THE SECOND」って。あれはいいコメントでしたね(笑)。自分では言えないからね。優勝してないっていうのがいいんだろうな。優勝すると戦いから抜けちゃうから。今年はグランプリファイナルにも行ってないから、結局ネタもストックできた。ただ、我々はシード権を失った。今度からは厳しくなるなぁ。
俺たちがはしゃいでるみたいに
1回目のどさくさ紛れ感がなくなって、ちゃんと面白い人が勝つ大会になったから、今更ながら1回目で準優勝して本当に良かったと思いますよ。 今年はシード権があったけど、勝敗も関係ないし、大会を盛り上げようと最初の選考会から出たんですよ。わけ分かんないですよね。去年のファイナリストがいっぱい出ると思ったら、俺たちだけ出て、はしゃいでるみたいになっちゃって。
シード権あるのに誤報でした
芸人の中では「シード権をなげうってまでイチからトライするのはすごい!」「かっこいいですね、マシンガンズさん」みたいな誤報が流れた。誰が手放すかって(笑)。そりゃもらったままやるよ。何でイチからやらなきゃいけないんだ! しかも、行ったら順番が真ん中。成績に関係ないんだったら、頭かケツじゃないですか。雰囲気の硬いときにやるなら分かる。スペシャルゲストで出すのも分かる。でも真ん中って何だ! 節目のところでもなくて、普通に自然の流れで出番が回ってきた。何でだよ! でもね、ただただ、「THE SECOND」はずっと続くといいなぁと思うわけですよ。
忙しすぎてバグった話 錦鯉も
仕事の量は最近ちょっと落ち着いてきた感じがする。去年の「THE SECOND」直後が一番バタバタしてて、忙しかったかな。今ぐらいでいいな。生活水準で上を見たらキリがないけど、忙しすぎると壊れちゃう。錦鯉も一回、忙しすぎて何やってんのか分かんなくなったって。やることは分かっているんだけど、自分たちで調べていくわけじゃないから、何をしてるのか分からないんですよ。
若いときに腕を磨いていれば
タクシーに乗せられて移動して、何かやったらまたタクシーで移動して。飯もどっかで弁当を食って。(相方の)滝沢もありましたよ。「今、何やってんのかな」って。同じ局内を移動したりすると、もうわけ分からなくなっちゃう。1個のリハーサルをやって、違う番組に出て、とかやったりすると、何やってるのか分かんない。まぐれで出てるから腕もないから疲れる(笑)。やっぱり若いときに忙しい方がいいんだと思う。学べるときに学んだ方がいい!
喫煙者をいじめないで
3月に札幌に帰ったとき、札幌駅にはJRなのに喫煙所があったのはびっくりした。これはなかなかない。すごい。ありがたい。しっかりと行きましたよ。モクモクしてたな~。壁も真っ黄色だし(笑)。今、空港も喫煙所が減ってますからね。新幹線も吸えなくなったし。なんで、そんなにいじめるんだよ! 一番、コンスタントに我々が小銭落としているのに…。
やらかしたウエストランドの河本
芸人でも吸う人は減ったな。喫煙所で会うメンバーは固定されていて、大体いつもいるのはモグライダーの芝とか、ウエストランドの河本とか。そういえば、アイツもやらかしたな。自分で絡んどいて「助けてくれ」って自分で110番(笑)。酒を飲むと、ワーってなるタイプではないんだけど、癖は悪い。みんな、そんなに驚きはなかったかも。普段すごく真面目な人が何かやらかしたわけじゃないからね。
30年ぶりの帯広は何があるかな
来月はお笑いイベントで帯広に行きます。楽しみですよ。20歳のときに行ったのが最後だから、30年ぶりだ。だから、あんまりイメージがないんだよな。豚丼とばんえい競馬ぐらい。あとインデアンカレーか! ばんえい競馬は写真とか動画で見ると面白そう。時間が合えば、やってみようかな。
【今月の西堀さんぽ】
今回は神宮球場周辺を散歩しました。
■プロフィール 西堀 亮(にしほり・りょう) 1974年10月4日生まれ、札幌市出身。石狩南高卒業後、お笑い芸人を目指して上京し、相方の滝沢秀一と1998年にマシンガンズを結成した。2003年から太田プロダクションに所属。07、08年「M-1グランプリ」準決勝進出。12年「THE MANZAI2012」の認定漫才師50組に選ばれる。20年、発明学会「身近なヒント発明展」にて優良賞を受賞。23年「THE SECOND~漫才トーナメント~」グランプリファイナルで準優勝。