東海大札幌高の北沢優人主将がU-18日本代表候補の147キロ左腕から決勝アーチ【春季全道高校野球】
■春季全道高校野球大会(5月24、札幌円山球場)
▽1回戦 北照3-4東海大札幌高
2年ぶり出場の東海大札幌高が、昨秋の主砲で主将の北沢優人三塁手(3年)の決勝アーチでプロ注目投手を擁する北照に競り勝った。8年ぶりの4強入りを懸けた2回戦は釧路江南と対戦する。
同点直後に北照・高橋から快音
同点に追い付かれた直後の六回の第3打席。1ボールから、北照の147キロ左腕・高橋幸佑投手(3年)のインハイ直球を見逃さなかった。昨夏の練習試合でも高橋と対決し、その時にも本塁打をマークしていたことで球筋は頭に入っていた。北沢主将は「真っすぐを狙いにいってた。打った瞬間に入るかなと思ったけど、そのまま入ってくれたので素直に嬉しかった」。一塁を回ったところで、サク越えを確認。何度もガッツポーズしながら、ダイヤモンドを一周した。
三回の打席はただの失敗に終わらせず修正を加えて汚名返上
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修正能力の高さも見せつけた。三回の第2打席では、詰まった当たりが中前にポトリと落ち、守備がもたつく間に一気に二塁まで到達したが、一塁ベースを踏み損ない、アピールアウト。やらかした。ただそれを次の打席の本塁打に生かした。「2打席目にちょっと詰まったので、ポイントをもっと前だなと思って打席に入った。自分の想像してるより前のポイントで打てたので、いい角度で上がったのかな」。自らのバットで汚名を返上した。
1カ月前に三塁手へ転向
昨秋の全道決勝では北海に悔しい逆転負けを喫し、メンバーもポジションも大幅に入れ替わった。これまでの野球人生では捕手一本だった北沢主将も1カ月前から三塁に転向。「自分がいつも見ている景色とは違って、そこはすごい苦労した」。一塁手の控えだった多々見大和(3年)に内野用グラブを借り、全体練習後の特守では高橋琉我主務(3年)にノックを打ってもらうなど周囲の協力を得て、無我夢中に取り組んだ。「(打球への)1歩目のスタートの切り方、ゼロからのスタートだったので、一戦一戦、成長できるように自分の中でも工夫しながらやっていきたい」。主将として、主軸として、新たなことも率先してこなしながらチームをけん引する。
大脇監督も現役時代に春夏2冠
指揮官の現役時代の再現だ。大脇英徳監督(49)は同校の選手だった1993年の春に4番、正捕手の主将として全道制覇。そのまま夏も南北海道大会を制して2冠に輝いた。
北沢主将は「夏につながる大会。この大会はもちろん勝ちに貪欲にやるけど本番は夏。春夏2冠獲れるように自分たちも練習をやっています。初戦突破できたのはすごく嬉しく思っていますし、自分のバットで点数が入ったのは自信にも繋がります。チームとしても、この1試合で大きく成長できた。次の2回戦も泥臭く細かいところまでこだわって、一戦必勝でいきたい」。31年前の指揮官同様にチームの大黒柱が力を発揮すれば、東海大札幌高に改名後初の頂点もぐっと近いてくる。