細川凌平 九回に一時勝ち越しの2点打 「一つの引き出し」にした「エフォートレス思考」とは
■パ・リーグ5回戦 日本ハム4ー3楽天(5月24日、楽天モバイルパーク宮城)
この日初打席で大仕事! 難攻不落の守護神を攻略
百戦錬磨の守護神を、若手のホープが打ち砕いた。日本ハムの細川凌平内野手(22)が七回の守備から途中出場。1―1の同点で迎えた九回、2死満塁の好機でこの日初めて打席に立ち、一時勝ち越しの中前2点打を放った。
楽天・則本に3球でカウント1―2と追い込まれながら、5球目のフォークを逃さず拾った。
納得の一打に喜びひとしお 「うれしかったですね」
「うれしかったですね。うれしかったというか、その後同点に追付かれましたけど、チームが一歩、勝ちに少し近づく一打になったかなと。頭にあったボールだったので、ああいう場面でしたけど、冷静に考えて、いろいろと頭の中を整理できた結果かなと思います」
久しぶりの〝打撃〟にも平常心 生かした経験
レギュラーではないことを自覚し、相応の準備を整えてきた。犠打以外で打席に立ったのは、17日のロッテ戦以来1週間ぶり。それでも「昨年から起用の中で、1週間打席が空くのは全然あること。昨年、経験させてもらったので、それを生かさないといけない。そういう時のためのアプローチは、自分なりに練習してきた。昨年の経験が生きているかな」と、言い訳せずに自身の立場と向き合ってきた。
練習から本番を想定 「レギュラーの方とは違う意識で」
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細川にとっては、試合前練習が試合だ。調整を行う主力打者たちとは取り組み方を変えている。「打撃練習がゲームだと思って、狙った球を前に飛ばすという意識を持っています。ゲームで打席に立つことが少ないので。レギュラーの方とは違う意識で練習しています」と足元を見つめた。
昨年のフレッシュ球宴で見せた妥協なき姿勢
一つ一つの行動に芯があり、細部まで妥協を許さない。昨年フレッシュ球宴に出場した際には、試合前にチーム全員のフリー打撃が終わると、さっそうとグラウンドに出て行き、ボールを拾い始めた。
担当のスタッフに任せて、選手は試合の準備をしてもいい場面だが「自分で、自分たちが打ったボールなので、自分で拾うのは当たり前かな、と思うので。別に特別なことをやったわけでもないです」と、ただ自然に体が動いていた。
常に新たな思考を探る 進化を求め続ける22歳
練習を苦にせず、どこまででもできてしまうからこそ、効率にも目を向けている。今年に入って「考え方をプラスした。
「エッセンシャル思考という本の続編なんですけど、『より少なく、しかしより良く』というのがテーマ。こういう(曲がりくねった)道でたどり着くとしたら、これ(直線)が一番(効率が良い)。1%の努力で、99%の成功を出すような考え方。自分は(どんなことも)やる方がいいと思っていたのが、逆にそこを省くのも一つの手段なのかなというのは、参考になったりはしました。一つの引き出しとして、持つようになりました。例えば、難易度を上げなくても、下げたものの積み重ねで、大きいところまで行けるでしょという考え。難しいことの1個下の難易度にして、それを積み重ねていけば、いずれすごいところに行くんですよと。この本を読んで、僕はそういう解釈をしました」。一つの考え方に固執することなく、常に新しい知識に触れ、取捨選択していくのが細川流だ。
再び今季最多タイの貯金「7」 求めるものは勝利の2文字
チームは貯金を「7」とし、2位をキープ。激戦が続く中、野手最年少22歳の献身的な活躍が輝いている。