コンサドーレ
2024/05/26 16:05

《元赤黒戦士の現在地・大塚真司後編》札幌の一員として天皇杯4強、J1昇格を経験 大宮ユース監督時代にあの快足FWを育成

2007年7月25日の仙台戦でプレーする大塚

 現在ヴァンフォーレ甲府のコーチを務める大塚真司氏(48)を紹介する『元赤黒戦士の現在地』。後編は、2006年から08年までのコンサドーレ札幌(当時)在籍時代、そして指導者として育て、札幌でも活躍した、あの快速FWについて聞いた。(以下、敬称略)

2006年は大型補強 目玉は〝元天敵〟

 04年、育成型クラブに方針転換して再出発した札幌は、同年こそJ2最下位の12位に終わったものの、翌05年にはシーズン終盤まで昇格争いに食らいつき、J1との入れ替え戦に進んだ3位甲府と勝ち点6差の6位でフィニッシュ。柳下正明監督(64)体制3年目となる06年はJ1昇格を目標に掲げ、のちにブラジル代表としてW杯にも出場したFWフッキ(37)や、翌07年からチームのキャプテンを務めたMF芳賀博信(41)など9人の新戦力を迎えた。中でも補強の目玉だったのが、前年まで強力な対戦相手として何度も札幌の前に立ちはだかった大塚だった。

2006年7月26日、東京V戦で勝ち越しゴールを決めた大塚が柳下監督と抱き合って喜ぶ

 

「重要な戦力として」求められた

 過去のキャリアでは、大半が出場機会を求めての移籍だった大塚にとって、山形時代の05年オフに届いた複数の獲得オファーは、初めて重要な戦力として求められたものだった。同年のJ2で優勝を果たし、翌年からJ1で戦う京都や、J2・4位と札幌より上位だった仙台からもオファーを受けたが、悩み抜いた末、札幌への移籍を決断した。「一番自分のキャラクターを生かせるのではないか、と思ったのが大きかった」と、札幌を選んだ理由を回顧する。「札幌は若い選手が多かったので、チームを引っ張っていくキャラクターが必要だったみたいで。自分のそういう部分を必要としてくれ、柳下さんを中心に声をかけてくれたのだと思います」。実際、加入初年度にもかかわらず、いきなりチームの副キャプテンに任命された。

「いつもフッキとケンカしてました」

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