ファイターズ
《ハム番24時》5月25日
プロ初セーブは幻に終わった。24日の試合。1点リードの延長十回に登板した矢沢は左打者3人と対戦し、右打者を迎えた2死一塁で杉浦と交代した。
守護神は田中正が務めている。セーブシチュエーションでマウンドに上がる機会はそうそうない。結果論になるが、3人で抑えていれば、セーブが付いていた。一夜明け、本音を言えば、欲しかったのではないか―と、矢沢に振ると「初セーブですか…いや、あんまりですね(笑)」と予想外の答えが返ってきた。
単純に謙虚で欲がないのか―と想像したが、違った。理由を尋ねたら「その立ち位置を勝ち取っているわけではないので、セーブやホールドが付いてもたまたま。河野さん、正義さんみたいに自分で勝ち取って、ホールド、セーブを重ねていくのはきれいな形ですけど、まだそのレベルではない。今の僕には必要ないです」と迷いのない表情で明かした。
偶然の産物、代役で手にする一つの数字に、価値を見いだしていない。首脳陣にもチームメートにも信頼され、期待通りの結果を残してこそ、主力の証しだと考えている。希少な二刀流プレーヤーの思考、信念はとても深く、格好良かった。