松本剛 頼れる先輩・加藤貴を助ける先制打「うまくいっていない時も、大丈夫、大丈夫って言ってくれる」
■パ・リーグ6回戦 日本ハム5-0楽天(5月25日、楽天モバイルパーク宮城)
いつも、心を軽くしてくれる左腕に、恩返しの一打だ。日本ハムの松本剛外野手(30)が「3番・DH」で先発し、四回無死一、三塁の第2打席で先制かつ決勝点となる中前適時打を放った。
当たりは悪かったけど、いいところに落ちた
「良かったです。一、三塁だったので、何とか、とにかくランナーをかえそうと思った。当たりは悪かったですけど、いいところに落ちてくれました」
「やっぱりいいピッチャーだなと」
この日の先発は、1学年上の加藤貴だった。自身のバットで、慕っている先輩の今季3勝目をアシストし「今シーズン、本人(加藤貴)は絶好調という感じではなかったのかもしれないですけど、常に我慢強く投げてくれていました。きょうは最後まで投げて、やっぱりいいピッチャーだなと思いました 」と称えた。
打者と勝負する姿勢に敬意
普段は真後ろの中堅を守る機会が多く、技巧派左腕の凄みを感じている。「どんどんストライクゾーンに投げ込んでいきますし、テンポもいいですし、野手も守りやすいところがすごくある。そして、それが打たれていても変わらない。そこがすごさだなと思います」。たとえ打ち込まれても、四球に逃げず、打者と勝負する姿勢に敬意を抱いている。
試合前にお互い励まし合っていい感じ
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試合前にはお互いに声を掛け合い、励まし合うのがお決まりだ。「毎回、僕にも声をかけてくれますし、僕もなるべく試合前に声をかけるようにして、きょうは本人、すごくうれしそうにしていたので、良かったなと思います」。会話の内容は、シンプル。「頑張ろう、頑張ろうって。僕がなかなかうまくいっていない時も、『大丈夫、大丈夫』って言ってくれますし、それはありがたいですね」と笑った。
チームの好調支える貴重な主力
今季はここまで41試合に出場し、打率.247。22年の首位打者にとって、決して満足いく数字ではない。それでも、2位につけるチームの主力として献身的に多くの役割をこなし、勝利に貢献している。
「まだまだしっくり来ていない部分はあるんですけど、我慢強くやることが大事。もっともっと調子は上がってくると思うので、それがくるまでしっかり練習したい。今、チームの状態は良いですし、そこが唯一の救いなので、まずはチームが勝つことが一番。それに貢献できるようにやっていきたいなと思います」
若手をけん引する経験豊富なオーバーサーティーズ
若いチームの中で、30歳を超えた経験豊富な選手たちの存在は貴重だ。この先にやってくるシーズンの重要局面で、調子を上げた松本剛や加藤貴が、優勝への道を切り開いてくれるはずだ。