北海が練習試合で大敗した旭川実業にリベンジ 長谷川駿太が151キロ右腕・田中を攻略【春季全道高校野球】
■春季全道高校野球大会(5月25日、札幌円山球場)
▽2回戦 旭川実業1-3北海
2年連続4強へ進出
選抜甲子園帰りの北海が、旭川実業を下して2年連続4強へ進出した。2-1の八回、全道大会から三塁手に抜擢された7番・長谷川駿太三塁手(3年)が、プロ注目の151キロ右腕・田中稜真投手(3年)からダメ押しの左前適時打を放つなど2安打1打点。昨秋は背番号7を与えられるも出場がなかっただけに、常に結果を出し続けなければいけない重圧と戦いながらバットを握っている。
〝北海のハルク〟禁止されているあのポーズがついつい
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スクワットで200キロを挙げるチーム一、二を争うフィジカルを持つ〝北海のハルク〟が、プロ注目投手からヒットを放ってアピールした。八回1死二塁。1ボールから1球ファウルした後の3球目。内角高めに抜けた変化球を見逃さず左前へ運んだ。一塁に到達すると、北海では禁止とされているガッツポーズが自然と出てしまうほどだった。
全国レベルを打てたことで自信に
五回から登板し、無失点投球を続けていた旭川実業の田中を攻略。「とにかくいい投手なので、来た球を打ってやろうと思った結果がヒットに繋がった。全国レベルを打てたのは自信がついた」。5月4日に行われた練習試合では0-11と完封負けしていたリベンジを全道の舞台で果たした。
甲子園で代打のチャンスも三振に
元々は遊撃手。1年春からベンチ入りするも、ポジションを転々として昨秋までは定位置をつかみ取るまでには至らなかった。今春の選抜甲子園ごろから三塁に転向。1回戦の大阪桐蔭戦では、1-8で迎えた八回に先頭打者の代打で出場してチャンスを掴んだが、空振り三振に終わった。
「全国レベルだと、ひと振りで決めないと打てない。(札幌に)帰って来てからは、代打とかで出るだろうと思っていたので、ひと振りで決められるように練習から挑んでました」。次に来るチャンスを信じて、人一倍バットを振り込んできた。
全道大会から5番に昇格
5月に行われた旭川実業との練習試合で長谷川は三塁コーチャーを任され、出番はなかった。札幌支部予選では背番号18番だったが、全道から5番に昇格。平川敦監督(53)が「支部がラストチャンスかと思っていたけど、使ってみるかな」と、初戦の帯広大谷戦に「7番・三塁」でスタメン起用。すると2安打1打点と結果を残し、2回戦でも先発出場を勝ち取った。長谷川自身も「もう活躍できなかったら引退くらいの気持ちでいます」と、1試合、1打席、1球に全てを懸けて試合に臨んでいる。
卒業した熊谷から長尺バット譲渡
ぶ厚い胸板がパワーを物語っている。この春に卒業した熊谷陽輝投手(中央大1年)が使っていた85センチの長尺バットを譲り受けるほどのパワーの持ち主。試合では選抜甲子園で82センチのバット使っていたが、現在は「扱いやすい」という84センチのバットを短く持ってヘッドを効かせている。
指揮官も高評価
2試合続けての活躍に、指揮官が「バントもちゃんと決めたし、大事なところで1本も打てた。今大会は長谷川が頑張って結果残している。このまま継続して練習して結果を残してくれれば」と話すなど、準決勝のスタメン出場も見えてきた。
結果を出しても油断はしない。「サードのレギュラーが固定じゃない中で、結果を出しているのは非常に嬉しいことなので、これからも続けていこうと思っているけど、落ちた時は落ちた時で、また工夫して練習で直せるようにやっていきたい」。この春で文句の付けようのない結果を残し、最後の夏の背番号「5」は誰にも譲れない。