完封負けした鹿島戦で闘志見えなかった札幌にMF駒井、DF岡村が警鐘
■J1第16節 札幌0-3鹿島(5月25日、札幌ドーム)
札幌ドームが静寂に包まれる
試合終了の瞬間、札幌ドームは勝利を喜ぶ鹿島サポーターの歓声が一部に響いたのみで、ホームサポーターが陣取るスタンドの大部分は静寂に包まれた。激励の拍手も、奮起を促す声援も、怒りのブーイングすらも無い、全くの無音。それがこの日の90分間の戦いを終えた北海道コンサドーレ札幌イレブンに対する評価だった。
鹿島対策で試合開始から4バック
4-4-2の布陣を敷く鹿島を相手に、札幌はその対策としてルヴァン杯に先発して中2日のDF髙尾瑠(27)をリーグ戦11試合ぶりに先発起用して右サイドバックに配置するなど、スタートから4バックを採用した。
チームの重心が後ろ掛かりに
だが鹿島の前線からのプレスに手こずり、ビルドアップでのミスが続発。カウンターを警戒しすぎたこともあってか、チームとして重心が後ろ掛かりになってしまう。MF荒野拓馬主将(31)は「もう少し前に行く姿勢を出せたのではないかなと思う」と、鹿島の圧力をはね返すことができなかったことを反省。前半札幌が放ったシュートはMFスパチョーク(26)の隙を突いたループシュートのみで、ペナルティーエリア内で全く攻撃の形をつくることができない。
鹿島戦は4戦連続ノーゴール
1点ビハインドで折り返した後半も、GK菅野孝憲(40)のパスミスから無人のゴールにボールを蹴り込まれるなど2失点。4人を同時に投入して反撃を狙うも、最後まで相手ゴールネットを揺らすことができないまま0-3で敗北を喫した。これで札幌は鹿島戦で4試合連続ノーゴール。通算成績でも3勝5分17敗と、相性の悪さをまざまざと見せつけられた格好となった。
駒井「こんな気持ちが入っているかどうかも分からない試合をして…」
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3点差での完敗という結果以上に気になるのが、札幌の選手たちからファイティングスピリットを感じられなかったこと。MF駒井善成(31)が「みんなが本当に勝ちたいのかなって思っているのか、僕にはそう見えなかった。正直、(ピッチの)中でやっていて、みんな淡々とこなしているようで、エネルギーを感じられなかった。正直、それに僕はがっかりしているし、自分自身ももちろんもっとやらないといけないし、試合を見たサポーターの皆さんはもっとがっかりしていると思う。こんな気持ちが入っているかどうかも分からない試合をしてしまってはダメ」と、選手たちの試合に臨む姿勢に苦言を呈す。
岡村「全員で意識を一から変えていかないと」
そして守備を統率するDF岡村大八(27)も「今日の試合に関しては本当にありえない。負け方というのもあると思います。死力を尽くして、それでも相手の方が上回って勝てなかった場合と、何もやろうとせずに負けた場合という2種類があると思いますけど、今日に関しては明らかに後者でした。勝ちとか引き分けとか、点を取るという意欲、相手に走り負けない、負けたくないというのもそうですけど、そういったところで明らかに相手が上回ったので、この結果は妥当だと思います」と、気持ちの面での弱さを課題に挙げる。「全員がもう一回、自分に矢印を向けてやっていかないと本当に良くないですし、自分含めて全員で意識を一から変えていかないといけない」。
二度と情けない試合を見せないように
囲み取材の終盤、岡村が「これは僕からなんですけど」と前置きした上で、「僕たちは来週からまた切り替えてやっていきますし、皆さんが応援している前で二度と情けない試合を見せないようにしたいと思いますので、引き続きドームに足を運んでいただいて、皆さんの声援を力に変えて頑張りますので、よろしくお願いします」と、サポーターに向けてのメッセージを口にした。中7日で迎える次戦の相手は残留争いのライバル東京V(6月2日、味スタ)。この屈辱を糧に、リバウンドメンタリティーを発揮して、今後を占う重要な一戦に臨むことができるか。札幌というクラブの底力が試される1週間となる。