エスコンフィールド北海道で行われた２軍巨人戦の試合前練習を、一塁側スタンドから熱心に見つめている集団があった。根本の母校・苫小牧中央高校の現役部員たちだ。左腕が近くまで歩み寄ると、球児たちは一斉に起立して一礼。礼儀正しい行動には、ＯＢへの敬意が込められていた。

　根本は「できれば１軍で投げるときに見に来てほしかった」と言いつつも、その表情はうれしそうだ。「自分は（同校出身で）初のプロ。２個下にも（広島・斉藤が）いますけど、頑張らないといけないですね」と、後輩たちの観戦を力に変えていた。

　母校愛は強く、入団時には野球部に打撃マシンを寄贈。昨年も「室内練習場がめちゃめちゃ寒いんですよ。ストーブが壊れたと聞いたので、ジェットヒーターを買いました。たまにはお金を使わないと（笑）」と、はにかみながら教えてくれた。

　心優しい先輩を、後輩たちはきっと誇りに思っているはず。長く現役生活を続け、いつまでもリスペクトされる存在でいてほしい。