台湾の至宝・孫易磊 エスコンデビューは2回無失点「日本に来てから一番最高な試合でした」
■イースタン・リーグ8回戦 巨人2-6日本ハム(5月26日、エスコンフィールド北海道)
最速151キロを計測
日本ハムの孫易磊投手(スン・イーレイ、19)が26日、エスコンフィールド北海道で行われた2軍巨人戦に3番手で登板し、2イニングを無失点に抑えた。自慢の直球は最速151キロを計測。2四球を与えながらも安打を許さず、危なげなくアウトカウントを重ねた。
「すごく特別な感じ」
北の大地で、特大の才能を見せつけた。1軍本拠地のマウンドに初めて立った孫易磊は「いつもファームの食堂で、みんなが試合をしているのを見ていました。初めて自分がこのマウンドに立って、すごく特別な感じ。日本に来てから、今までで一番最高な試合でした」と感動の面持ち。近未来、1軍の舞台で投げる自らの姿を思い描き、胸を高鳴らせた。
ロッテ・佐々木朗希をほうふつ
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セットポジションを取り、ステップする左足を高く上げる。下半身のパワーを最大限に利用する投球フォームは、ロッテ・佐々木朗希をほうふつさせる。しなやかな腕の振りから繰り出す直球は威力があり、ときには「特別な意識はしてないけど、勝手に走る感じ」とナチュラルに右打者の懐をえぐる球筋を描く。
エスコンは投手有利なマウンド
打者の手前で鋭く落ちる勝負球のフォークも「(日本語で)きょうは、すごく良かった」と手応え十分。近い将来の主戦場となるフィールドは水が合うようで「投手有利なマウンド。ちゃんと足(ステップ幅)が決まれば、打者からするとかなり打ちにくいと思います」と、相性の良さを強調した。
日本に来てからの成長を実感
台湾時代から築き上げた投球スタイルは、来日以来さらに洗練された。「配球面で自分をもっと知ることができました。これまでは日本の打者と対戦する機会が少なかったので怖いというか…。あまり知らないので思い切り投げられなかった。日本に来てから段々と知ることができて、思い切り投げられるようになりました」と、成長を実感している。
可能性は∞ 将来メジャー挑戦へ
まだ19歳。その右腕には無限の可能性が詰まっている。稲葉2軍監督は「真っ直ぐがシュート回転せず、スピンが効けばさらに良くなる。去年、何試合も見させてもらったけど、まだまだ良いときのイーレイではないかな。彼の目標は高いところにあるので、今の結果ではなくて、もっと高いレベルに行くためにも球速を出すことが大事。慌てることなく、そういう体づくりをやっていきましょう、というところ」と育成プランを説明した。
将来的なメジャー挑戦を目指す台湾の至宝は、異国の地でじっくりとポテンシャルを引き出していく。