高校野球
2024/05/27 14:00

【プレーバック】春季全道高校野球準決勝 遠軽2-3×クラーク ※延長十一回タイブレーク(5月27日、札幌円山)

サヨナラのホームを踏み、ガッツポーズするクラークの金原外野手(右)=撮影・十島功

 

2時間40分の激闘をクラークがサヨナラ勝ちで制する

 準決勝第一試合では延長11回、2時間40分の激闘の末、クラークが3-2で遠軽を下し、春季大会では同校初となる決勝進出を決めた。

 熱戦は、両チーム先発投手の好投によって火蓋が切られた。クラークのエース児玉旭陽(あさひ、3年)が、先頭から5者連続三振という絶好の立ち上がりを見せると、一方の遠軽も公式戦初登板となった塩田禅(1年)が、初回こそ一死三塁のピンチを迎えるも後続をシャットアウト。以降は二回から四回まで相手の攻撃を全て3人で終わらせるという安定した投球を披露した。

 スコアボードにゼロが刻まれ続ける中、試合が動いたのは五回裏。クラークが2本の安打で一死一、三塁のチャンスをつくると、八番の中田壮謙(そうけん、2年)がセンターへの犠牲フライを放ち先制に成功。続く六回裏にも四番の芳賀陸人(3年)が二死二塁の場面で中前打を放ち、リードを2点に広げた。

 だがここから遠軽が粘りを見せる。八回表に二死満塁の場面をつくり出すと、五番の明戸魯偉(ろい、3年)がフルカウントから四球を選び、押し出しで1点を返す。続く九回表には、この回途中から再びマウンドに上がった児玉の暴投の間に三塁走者がホームに返り、ついに同点。土壇場で試合を振り出しに戻した。

 熱戦に終止符が打たれたのは十一回裏。クラークがタイブレークの走者を確実にバントで送り、一死二、三塁とチャンスを広げると、三番山田陽紫(きよし、3年)がレフトへ犠牲フライ。キャプテンのひと振りで、クラークが劇的なサヨナラ勝ちを手にした。


■延長十一回裏、サヨナラ犠牲フライを放ったクラークの山田陽紫主将(3年)
「最低でも犠牲フライをという気持ちで打席に入りました。次が四番だったので、気持ちを楽にしていました」

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