《ハム番24時》5月27日
先輩から受けた恩は、後輩に返す。大卒2年目の金村が、当たり前のようで難しいことを、自然体でこなしていた。
ルーキーだった昨季、先輩投手たちから優しく話しかけられ、助けられたことが心に深く残っているという。「去年は上の先輩に言ってもらったことが、すごく身になりました。上沢さんだったり、(伊藤)大海さんだったり、加藤(貴)さんだったり、そういうピッチャーに話しかけてもらえると、気持ちも落ち着くんです」と振り返る。
今では積極的に、後輩に話しかけるよう意識している右腕。前カードの楽天戦でプロ初先発した3学年後輩の柳川には「緊張するって言っていたので、僕も最初投げたときは緊張したよとか、そういう体験談を話したりしました。緊張しても割り切るしかない。打たれたらどうしようとか、そういう思いはなくして、打たれたらしょうがない、そういう世界だと思うよ、というのは話しました。僕もそういう気持ちで去年やっていたので」と、自身の経験をふまえて助言を送り、緊張をほぐしてあげていた。
エスコンフィールドで練習や試合がある際、柳川や同じく3学年下の福島を車に乗せ、送ってあげることも多いという。
「だって、あいつら免許持っていないので(笑)。球場に一緒に来たりして、車の中でしゃべったりしていますよ。何か、しゃべるってすごく大切だなって思うんです。しゃべることが一つ、リラックスできる要因になっているなと、僕も去年すごく感じた。(1軍に)来て、柳川、福島に関しては育成だったこともあって、ずっとファームにいましたし、年が近い僕が、一番しゃべりやすいと思うので、そこはどんどんしゃべりかけています」
グラウンドで金村と話す後輩たちを観察していると、いつもまるで同学年の友だちと話しているかのように楽しそうだ。「なめられているだけですよ(笑)」と謙遜するが、福島や柳川にとって、リラックスして話せる時間がどれほど貴重で、優しい先輩の存在がどれほど心強かったかは、想像に難くない。