高校野球
2024/05/28 18:05

クラーク激戦及ばず春準優勝 エース児玉が投打でけん引【春季全道高校野球】

投打でチームをけん引したクラーク・児玉=撮影・十島功

■春季全道高校野球大会(5月28日、札幌円山球場)
▽決勝 クラーク2-3北海

 クラーク史上初の春の頂点に、あと一歩届かなかった。だが春連覇を狙う王者を最後まで苦しめ、夏に向けて大きな手応えをつかんだ。

肩の張り、疲労残るも「気持ちでカバー」

 投打両面でチームをけん引したのが児玉旭陽(あさひ)投手(3年)だ。前日の準決勝・遠軽戦では先発、そして途中から再びマウンドに戻り、合計82球を投じた。当日朝に2日連続での先発を伝えられると「そこから気合が入りました」と、心身にスイッチを入れた。肩の張りや疲労を若干感じていたが「試合中はそんなことを言ってられないので、気持ちでカバーしました」と、最初の4イニングを被安打2に抑え、無失点で切り抜けた。「先に(気持ちが)折れてしまったら、流れをこちらに戻すのは難しい。流れを渡さないように、ギリギリまで踏ん張れたら、と思って投げました」。

バント2度失敗 気合で先制の三塁打

 渾身の投球で相手打線を抑える中で、均衡を破ったのは他でもない児玉の打撃だった。五回表、先頭の杉谷瑠生(るい)外野手(2年)が左前打を放ち無死一塁。続く児玉が、得意と語る内角への直球を振り抜くと、右中間を破る大飛球。「(送り)バントのサインが出ていたが、2回失敗してしまって。もう後が無い状況で監督のサインをもう一度見たら、『打て』のサイン。ミスを取り返そうと、気合を入れました」。適時三塁打となり、一走が一気にホームイン。先発投手にとってのどから手が出るほど欲しかった先制点を自らのバットでつかみ取ると、1死後に金原律外野手(3年)の左前打で2点目のホームを踏んだ。

五回に先制の適時三塁打を放ち、三塁へと走るクラーク・児玉(左)

 

五回途中降板も想定超える力投

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