万波中正 甲子園の思い出は「最後に輝星が三振を取って、負けた時の気持ちだけ覚えています」
■交流戦1回戦 日本ハム-阪神(5月28日、甲子園)雨天中止
交流戦初戦は雨天中止 室内練習場でトレーニング
日本ハムの万波中正外野手(24)が28日、甲子園の室内練習場で打撃練習などを行い、じっくりと汗を流した。
昨季は交流戦でチームトップの打率をマークするなど躍動。セ・リーグと戦った18試合を大ブレークの足掛かりとした。今季も得意の舞台で上昇気流をつかみ、本領を発揮するつもりだ。
いきなりの水入りにも平静 「ここから心機一転でいきたい」
野球の聖地から逆襲が始まる。この日に予定された交流戦の〝開幕戦〟は雨天中止に。水を差された格好だが「1年間の中で、なかなか対戦することのない相手。リーグ戦は3分の1弱が終わったので、ここから心機一転でいきたいですね」と、心はメラメラ燃え上がっている。
得意とするセ球団との対戦 昨季の数字が物語る
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25本塁打を放ち、才能を開花させた昨季は、交流戦期間中に確かな手応えを感じ取ったという。
打率.328、4本塁打、6打点と好結果を残し「たまたま好調な時期が重なったのもあるけど、初対戦の相手が多い中で勇気を持って、どんどん振っていくことでうまくいった。数字がガッと上がったことで、少なからず自信が付きました」と活躍を振り返る。
今季はここまで「低空飛行」
今季も勝負強い打撃で上位躍進を支えているが、自己評価は辛口だ。
「今年は自分の中で低空飛行が続いている。どこかで一回、ガツンと調子を上げたい。そのきっかけになってほしいと思いながら、交流戦に臨むつもりです」と、復調を目指して力強く意気込んだ。
忘れられない聖地での激闘
思い出深い球場で、反攻ののろしを上げる。6年前の夏。甲子園第100回大会。主役の一人だった万波は、後にドラフト同期入団となる吉田輝星(現オリックス)と3回戦で激闘を演じた。自らは2安打を放ちながらも、チームは終盤八回に逆転3ランを食らい、1点差で惜敗。注目のスラッガーは志半ばで聖地を去った。
「不思議なんですけど、あの試合の詳細をあまり覚えてないんですよ。試合の最後に輝星が三振を取って、負けた時の気持ちだけをすごく覚えています。3年間が本当に終わるんだな…って。3年間を一瞬で振り返って『濃い時間だったな~』って、いろいろな感情が入り交じった。野球人生で初めて味わう気持ちで、あの場面以外で感じたことがない」
狙うは2年ぶりの甲子園アーチ
青春時代の記憶は色あせず、プロになった今でも、甲子園でのゲームには胸が躍る。
「全ての野球人にとって思い入れのある場所で、特別な球場であることは間違いないですね」。モチベーションは自然と高まる。やる気に満ちあふれた背番号66が、ドラマチックなアーチを描く。