監督続投、J1残留の目標修正を受け札幌MF荒野主将が決意新た「ミシャを信じてみんなで迷わず行く」
■5月30日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は6月2日のアウェー東京V戦(味スタ)に向けて、5対5のパスゲームや11対11などで調整した。今シーズンはここまで2勝5分9敗とリーグ19位に沈むクラブは前日29日、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)に今季の最後まで指揮を託し、J1残留を最優先の目標とする方針を発表した。札幌アカデミー出身で、13年間のプロ生活の全てを札幌で戦ってきたMF荒野拓馬主将(31)が、愛するチームを守るため、全力でJ1残留をつかみ取りに行く。
就任7年目の今季は〝集大成〟
2018年のクラブ史上最高となるJ1リーグ戦4位や、19年のルヴァン杯準優勝、そして歴代最長の8シーズン連続J1在籍など、札幌に数多くの新しい景色を見せ続けてきたミシャ政権。三上大勝代表取締役GM(52)は29日、就任7年目の今季を〝集大成〟とすることをクラブの公式ホームページを通して表明した。
ミシャに合った順位に上げたい
その声明を受けて荒野は「今シーズンをミシャでやっていく中で苦しいシーズンになっていますけど、降格するようなチーム、下位にいるようなチームの監督ではない。いるメンバーでしっかりと戦って、ミシャに合った位置に上げられるようにしたい」と胸中を明かす。
三上GMと会談 信頼は揺らがず
指揮官の続投について三上GMとも会談したが、「ミシャを信じてみんなが迷わず行けば、絶対に力を発揮できる。そういったパワーをミシャは持っているし、自分たちもそれに応えるようにやっていきたいという話を三上さんにはさせていただきました」と、7年間共に歩んできた指揮官に対する信頼は全く揺らいでいない。
鹿島戦後に選手たちだけでミーティング ベテラン勢の支え
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5月25日のホーム鹿島戦(0●3)での惨敗直後、選手たちはミーティングを実施。その冒頭で荒野は「チームとしてばらけないように、まとまって同じ方向を向いていくんだぞ、との声掛けを最初にさせてもらいました」。その後、MF駒井善成(31)やGK菅野孝憲(40)らベテラン勢が言葉を発し、チームを引き締めた。「上の選手が響くことを言ってくれたので。僕を支えてくれたり、チームを支えてくれるベテランがいるというのは、すごく大きなこと」と、ミーティングを通じてチームメートたちへの信頼がより強くなった。
「外からどう見られようと、やっている自分たちが大事だと思う。僕は仲間を信頼していますし、チームメートも僕のことを信頼してくれていると思うので、良い関係で上を目指してやっていきたい」と、ワンチームで難局突破を目指していく。
前半戦に降格圏にいるのは3度目
荒野が札幌に加入してから、J1リーグ戦前半の時点で降格圏にいるのはプロ1年目の12年、17年に続いて3度目だ。「12年は僕はあまり試合にかかわっていなかったですけど、17年に残留したときは僕は中心選手だったので。今またこういう状況の中でも僕がずっと出てかかわっているので、絶対残留できると思いますし、降格することはないと思います」。
過去の経験を生かす
17年は、16試合を終えた時点で3勝3分10敗。6連敗していたが第17節のホーム清水戦(1〇0)で連敗を止めると、そこから残り18試合を9勝4分5敗で乗りきり、18チーム中11位でフィニッシュ。16年ぶりのJ1残留を達成した。過去の経験を生かして〝生き残り〟に全力を注いでいく。
6月は残留争いのライバルと対戦
6月のリーグ戦最初の2試合、東京V戦とアウェー京都戦(15日、サンガS)という残留争いのライバルとの直接対決は非常に重要な試合となる。「この2試合は絶対負けてはいけない試合だと思いますし、選手もそれを分かっている。相手もそういう気持ちで来ると思いますけど、後半戦に向けて、そこで勢いづけられるようにやっていきたいです」。今季のターゲットはJ1残留に定められた。与えられたミッションを確実に遂行すべく、キャプテンが覚悟を持って残り22試合の戦いへと挑む。