■交流戦２回戦　日本ハム６ー０阪神（５月３０日、阪神甲子園球場）

野手のような攻めに見逃し方

　まさに完勝。山崎が投打で見事な活躍を見せた。ピッチャーではあるが、まずは打撃面に触れたい。６番に座り、第１打席で四球。バッティングに専念している打者への攻め方であり、また見逃し方も実に野手のようだった。

福留孝介さんのようなバッティング

　そして、さらに目を見張ったのが第２打席。無死一、三塁で巡ってきた。そこでアウトコースの厳しいボールを鮮やかにセンターへ。福留孝介さんのような巧みなバッティングで先制点を叩き出した。高い打撃技術に優れた野球センスを感じた。

人気と実力を兼ね備えた山崎　バッテリーのゲームメークは見事

　バッティング以上に素晴らしかったのが本業のピッチングだ。特に右打者に対し、早めにチェンジアップを意識させた。後半にはスライダーをインコースに入れるなど組み立てを変えた。山崎と伏見のバッテリーによるゲームメークは見事だった。山崎はリーグ単独トップの６勝目。オールスターのファン投票では中間発表（先発部門）で１位。人気と実力を兼ね備えている。

類いまれな才能を持った若きスラッガー

　もう１人、特に目に留まったのが水谷だ。ホークス時代から、その類いまれな才能は認められていた。巨大戦力の中で、勝負の厳しさを身をもって味わってきた。ファイターズに移籍してからも、チャンスは数少ないと危機感を持ちながら、試合に臨んでいるのが見て取れた。それでいて明るさと、野球を楽しむ姿勢を忘れずにプレーしている。

パワーがありながらもコンパクトなスイング

　プレースタイルは見た目とは異なる。体の大きさから一見、大味な選手に思える。だが、スイングは実にコンパクト。パワーがありながらも、しっかりと引き付けてスイングしている。ホームランは安打の延長といったようなバット軌道で、ヒットコースにボールを飛ばせる。決して大崩れしないだろう。

万波との１、２番は相手に大きなプレッシャー

　結果も出ていることで打席に余裕も生まれている。これこそが好循環。しばらくは早い打順で起用していっても面白い。万波との１、２番は相手に大きなプレッシャーを与えられる。ただ、まだレギュラーを手にしたわけではない。ポジションをつかみにいっている選手は１日１本では物足りない。それだけ定位置を奪うというのは難しいこと。緊張感を持続しながらのゲーム出場。相当な疲れが出る。その時に、どうチームに貢献できるか。そこがカギとなる。