ドラ3宮崎一樹 人生変えた大学3年の秋 プロ初安打の記念球は「じゃあ両親とかにあげます(笑)」 ※一問一答あり
■交流戦1回戦 DeNA4ー3日本ハム(5月31日、エスコンフィールド北海道)
1軍昇格即スタメン プロ初打席でヒット
日本ハムのドラフト3位ルーキー・宮崎一樹外野手(22)がプロ初昇格し、即「7番・左翼」で先発出場。二回に好投手・東から、バットを折りながら右前へプロ初安打を放った。
そばアレルギーを持つそば屋の息子
東京・日野市でそば屋「増田屋」を営む両親の元に生まれたが、生まれつき、そばアレルギーだった。「そば粉が舞っていると目がかゆくなったりとか、軽めのじんましんとか出たりする」という。それでも家族思いの宮崎は、かき入れ時の大みそかには店頭に出て販売を手伝い、症状に耐えながら自身は食べたことのないそばを振る舞った。
大人気野球漫画「MAJOR」がきっかけ
実家のそば屋は継げなくとも、立派なプロ野球選手になった。野球を始めたきっかけは、大人気野球漫画「MAJOR(メジャー)」だ。
「自分の原点というか、始まりの漫画」と心酔している。大学時代にはアニメにもハマり、「2~3周、見ました。自分自身がモチベーション上げたい時だったり、気合入れたい時とかに見たりする。試合前とかに好きなシーンを見たりしていました」。憧れは、主人公・茂野吾郎のライバルで、圧倒的な威圧感で打者をねじ伏せる豪腕・眉村健。「自分とは全然、違うんですけど、いいですよね」と笑う。
清宮と同じ調布シニア出身 大学3年の秋にブレーク
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中学時代は清宮と同じ調布シニアで腕を磨き、高校は山梨学院高を選んだ。エリート街道を進んできたようにも見えるが、高い身体能力を生かし切れず、全国的には無名だった。大学は系列の山梨学院大に進学。3年秋に、人生が変わった。
「リーグ戦で、6割打ったんです。ホームランも5本。それがあって、大学日本代表に選んでいただいた。それがなかったら、野球を続けていなかったかもしれないです」。ドラフト1年前の大爆発で、一気に全国区へと駆け上がっていった。
星野にいじられ今川をいじる
後輩からいじられても優しく許す寛大さと、先輩もいじりにいく度胸を持ち合わせている。入団してすぐの新人合同自主トレ期間中は、高卒ルーキーの星野と〝仲良し〟で、取材対応中にちょっかいをかけられることも多かった。
「見ましたか? あいつはそういうやつです。先輩をなめているんです」と言いつつも、「でも、かわいいんですよね」と柔らかい笑顔を崩さない。一方で、5学年上の今川が取材を受けている際には後ろで立ち止まり、「しゅうねーん!」。おちゃめな一面も隠し持っている。
俊足強肩は新庄スタイル さらなる飛躍へ心機一転
新庄監督と似た俊足強肩を武器にする外野手。この日、突然訪れた〝一瞬のチャンス〟で、見事に結果を出した。目指す理想像は、トリプルスリーが狙えるような選手。記念の初安打をきっかけに、成長を加速させていく。
【試合後の一問一答】
―プロ初安打の感想は
「どんな形でもヒットを出したかったので、そういう意味では良かったかなと思います」
―1打席目に出た
「気持ちも楽になりましたし、ホッとしました」
―初ヒットのボールは、新庄監督から受け取ったか
「そうですね。はい」
―どんな言葉をかけてもらったか
「特には。ナイスバッティングという感じですね」
―ボールはどうするか
「いや、決めていないですけど、じゃあ両親とかにあげます(笑)」
―初出場だったが、落ち着いていた
「そうですね。打球が飛んでこなかったので、ちょっと守備は経験できなかったですけど、打席の雰囲気だったりとか、そういうところは感じられたので、次もしっかり自分のパフォーマンスができるようにやっていきたいです」
―チャンスで代打を送られた際の気持ちは
「そういった場面でも任せてもらえるような選手になっていこうと思いました」