コンサドーレ
2024/06/01 15:05

《東京V戦前日》私自身が思うことは目の前の試合を全力で戦う、それだけだ

■6月1日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場

―先月29日にリリースされた三上GMのメッセージで、ペトロヴィッチ監督が今季最後まで続投、そして今季を集大成とするという発表がされた。それを受けて、監督の今の心境を聞かせていただきたい
 私の気持ちは別に大事ではない。大事なのはクラブだ。監督も社長も、そして選手たちも、みんないつかはいなくなるが、クラブは存続していく。そういう中で大事なのは、常に我々、その現場で働いている人間が、あるいはそのときプレーしている人間が、クラブのために全力を尽くして戦うことだ。

 そういう中で自分のベストを尽くしていくだけだと思うし、ああいう発表はあったが、私自身が思うことは、目の前の試合を全力で戦う、それだけだ。

―メッセージの中で、J1残留を第一優先とするというクラブの方針が示された。それを踏まえてリーグ戦22試合をどのように戦っていきたいと考えているか
 22試合とまだ試合数が多い中で、どこまで自分がやるのかという話もあるし、今後どうなっていくかは、サッカーの世界では分からないことが多い。

 そんな中で札幌が残留を目指すという方針を発表したが、元々「札幌はそういうクラブでしょ」という話だ。残留、J1で戦うということが、クラブ、チームとしてのあるべき目標だと思うし、それ以外の、ここ最近シーズン前に発表されているような目標というのは、現実的かどうかというのは皆さんがそれぞれ見ればいいと思う。私自身は、J1に居続けることこそが、このクラブの一つの大きな目標ではないかと思っている。

 もちろん(鈴木)武蔵とか、(小柏)剛、(金子)拓郎、(田中)駿汰、ルーカス、進藤、(アンデルソン)ロペス。そういった主力だった選手たちが、みんな今でも残ってプレーしているようなチームであれば、高い目標を掲げて、今年が集大成と言ってもいい、そういうシーズンだろう。ただ今の状況で、そこを集大成と言うのか、あるいは高い目標を掲げるというのは、あまりにも現実からかけ離れるのでは、と思っている。

 やはりお金が無いクラブであれば、育てた選手たちをいかに維持しながら戦うか。そうであればタイトルを取るとか、そういった目標が現実的になる。

―明日の東京V戦、相手の印象を含め試合に向けての意気込みを
 東京Vは我々より(勝ち点を)10ポイント多く取っている。J2から昇格してきて、自分たちの強さを示したい、自分たちができるということを示したい、そういう高いモチベーションで、強い気持ちで今シーズンを戦っているチームだ。非常に若い選手も多い中で、チームとしてもしっかり戦い方がまとまっている、規律のあるチームだ。毎試合毎試合、我々にとっては、どのチームが相手でも厳しい戦いなのは間違いない。

―選手たちは「ミシャさんと一緒にやっていきたい」「ミシャさんのスタイルで戦っていきたい」と言っているそうだが、その思いをどのように受け止めているか
 私自身は監督としてはもちろん、選手たちを自分の子供のように思っている。みんなに対する愛情もあるし、選手たちが良い選手としてのキャリアを積んでいけるよう、常に考えている。長くここで仕事をしていて、お互いを思う気持ちもあると思うし、そう思ってもらえるのは、私自身も親心というか、監督冥利に尽きる。本当に選手たちのためにも、我々がノーマルに目指すところである残留を成し遂げて、今シーズンを終えたい。

 広島も浦和も、そして(広島の前に指揮を執った)シュトゥルム・グラーツでも、どこに行っても皆さんは私と再会するとき、笑顔で快く迎え入れてくれる。いずれはここ札幌を去るときが来ると思うが、そういうのを見れば、自分がどういうふうにその人たちと仕事をしてきたのかということが、後になってそういう形で現れるのだろう。

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