大昭和製紙北海道の全国制覇から50年 WEEDしらおいが8年ぶりの2次予選進出【都市対抗野球】
■都市対抗野球北海道地区1次予選最終日(6月2日、岩見沢市営球場)
▽2次予選進出最終決定戦 WEEDしらおい8-1札幌ホーネッツ ※七回コールドゲーム
敗者復活戦で勝ち上がり
4チームが出場する2次予選最後のイスは、敗者復活戦を勝ち上がったWEEDしらおいが手に入れた。今年は大昭和製紙北海道が都市対抗本大会で北海道勢初優勝を果たしてから50周年。2度の休部後、ヴィガしらおいを経て2000年に発足した25年目のクラブチームが、初の本大会(東京ドーム)出場へ向け、室蘭シャークス、北海道ガス、JR北海道クラブの強豪に立ち向かう。
2日間で3試合も打線好調
西日が差し込むグラウンドで、古豪が2日間で3試合の過密日程を制した。この日のスタメン野手9人は2試合とも打順固定でフル出場。1次予選3回戦で室蘭シャークスに敗れた試合も含め、6試合全て2桁安打をマークし、1試合平均9.17得点の猛打で勝ち上がった。大昭和製紙北海道で13年間プレーした社新吾監督(64)は「春から手応えがあった。オープン戦でJRさんとやっても勝ってるし、自衛隊さんともいい試合ができたしね。たまたま調子いいんすよ。毎試合、どことやっても8点、9点取るんですよ」と好調打線に声を弾ませた。
ダブルヘッダーで太田投手が2勝
主戦・太田裕也投手(30)の力投も光った。決定戦直前のトッキュウブルーローズ戦では、2-2の六回から3イニングを投げ2失点も、打線が奮起して八回コールドゲーム13-4で勝利投手に。そのわずか40分後に、今度は先発のマウンドに上がった。序盤の3イニングは無安打に抑えたが、四回にマウンドへ向かった時に右太もも裏がつりそうになって一旦ベンチに下がったが、「マッサージしたら治った」と再びマウンドへ復帰。直後に3連打を浴びて1点を失ったが、すぐに立ち直り、以降は安打も失点も許さなかった。
四死球もわずか1個。この日、合計10イニング、141球で1日2勝。「疲れはもう一切なくて。元々立ち上がりが良くないので、逆に良かった。僕が1年目以降、2次予選には出てなかったと思うんで、久しぶりに企業チームと戦えることは嬉しいです」と強豪撃破に燃えている。
30歳超えて投球スタイル変更
太田は北海高出身で2011年夏の甲子園メンバー。1学年下のエース玉熊将一投手(29、明治安田生命)の影に隠れていたが、本格派右腕として、北海学園大卒業後にWEEDしらおいに加入。「30歳を超えてから、緩急を使っていかないと抑えられなくなってきたので、うまくバッター見ながら緩急をつけて抑えることは心掛けてました。キャッチャーともしゃべって。学生の頃は、真っすぐでゴリ押しする感じだったんですけど、今それはできない」。投球スタイルを変更して一気に台頭。今季は3勝無敗の勝ち頭だ。
指揮官も絶賛だ。今季は継投策を展開して企業チームからも勝利をもぎ取ってきたが、太田の投球に「予定外。いつ代える? 点数とったらどうする? て言ったけど、もうあそこまで行ってたら投げさせるしかない。代えられないですよ、あそこまで投げてくれたら」と、最後まで太田にマウンドを託した。