札幌DF中村桐耶が富山の地で復活ののろし ゴールゲット&積極プレーでルヴァン杯8強進出に貢献
■ルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦 富山1-2札幌(6月9日、富山県総合運動公園陸上競技場)
北海道コンサドーレ札幌は敵地に乗り込んだ第2戦でJ3富山に2-1で勝利。プレーオフラウンド2試合の通算成績を1勝1分とし、ルヴァン杯8強入りを決めた。後半6分にはDF中村桐耶(23)が左足ダイレクトボレーで2得点目を奪い、値千金の活躍だった。
中村の左足でJ3初の8強許さず
富山のホームゲームとしては歴代9位となる7701人が来場した一戦。Jリーグ全60クラブが参加する方式に生まれ変わった最初の大会で、J3クラブ史上初のプライムラウンド進出を後押ししようとスタジアムに駆けつけた富山サポーターの声援を、中村が自慢の左足で静まらせた。
ラッキーっぽくではあったけど
1点リードで迎えた後半6分の右CK。MF長谷川竜也(30)が中央へ蹴り込んだボールを、MF近藤友喜(23)が頭で折り返すと、ゴール前で待ち構えていた中村がダイレクトで叩き込んでネットを揺らした。「CKではずっとゴールは狙っていました。今シーズンはなかなか(セットプレーでボールを)触る機会がなかったので、そろそろ欲しいなと思っていたところ。ちょうど良いところに転がってきたので、ラッキーっぽくではありましたけど、入って良かったです」と、今季の公式戦出場19試合目で待望の初ゴールのシーンを振り返る。
サイドチェンジ&前線への推進力 昨季を彷彿とさせるプレー連発
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ゴールだけではなく、中村の持ち味である思い切りの良さを久しぶりに見せることができた。前半から得意とする逆サイドへのサイドチェンジを立て続けに展開し、札幌のチャンスを演出。ボールを受けてからは敵陣深くまで自ら持ち運ぶシーンを何度も見せるなど、一気にチームの主力まで登り詰めた昨年の好調時を思い起こさせるプレーを披露した。
ミスがなくて前向きになれた
「ずっと出そうとはしているんですけど、結構、試合中にミスしたり、(キックが)うまく当たらなくて通らないという機会が多かった。今日は立ち上がりから何本か(良い)ボールが蹴れていたので前向きになれて、積極的に上がっていくようなプレーを出せました」。この試合での成功体験をきっかけに、中村がピッチ上をダイナミックに駆け巡るシーンが多くなれば、チームの勢いもまた加速していくはずだ。
J3が相手も難しい試合ばかり
これで札幌は2年連続のルヴァン杯8強入りが決定。中村もここまでの全4試合に先発出場するなど、8強進出に大きく貢献した。「(ここまでの)対戦相手がJ3チームで、なかなかいつも通りとはいかない難しいゲームばかりでしたけど、その中でもしっかりと勝ち上がれたというのは、チームにとってすごく大きなこと」と、チームとして勝ち取った成果を喜んでいる。
「自分の中では悔しくはあった」
一方で、「スタメンで出たり、キャプテンマークを巻いたりと、ルヴァンに多く関わってはいますけど、正直、リーグ戦に出ていないからこっち(ルヴァン杯)に主力として出ているという状況が、自分の中では悔しくはあった」と吐露するなど、その胸中には複雑な思いが入り交じっていた。「そういった意味でも、今日の試合で自分の良さをアピールして、次につながるような結果にできたと思います」。
リーグ戦もフル出場できるように
手応えを感じることができた試合を経て、今後はレギュラーの再奪取、そしてチームの浮上を懸けた戦いへと挑んでいく。「この後は天皇杯、そしてその後には京都との大事な試合があるので。そこにもしっかりと主力として、スタートからフルタイムを出られるような活躍をしていきたい」。富山の地で復活ののろしを上げた道産子レフティーが悔しさをバネにし、ここから昨季以上の飛躍を見せていく。