FW鈴木武蔵が待望の札幌復帰後公式戦初ゴール! 点取り屋復活へ「ここから高みを目指していきたい」
■ルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦 富山1-2札幌(6月9日、富山県総合運動公園陸上競技場)
北海道コンサドーレ札幌FW鈴木武蔵(30)が前半40分に先制点となるPKを決め、待望の札幌復帰後公式戦初ゴールをゲットした。
相手GKとは逆に蹴り込んだPK
待ちに待っていた瞬間が訪れた。札幌が優位に試合を進めながらもなかなか富山ゴールを割ることができないでいた前半38分、MF近藤友喜(23)が右サイドを突破してペナルティーエリア内へ進入すると、相手DFがたまらず近藤を倒して札幌がPKを獲得。キッカーとなった鈴木は、相手GKが飛んだ方向とは逆のゴール左へとシュートを蹴り込み、今季公式戦出場13試合目にして、ついにゴールネットを揺した。
G大阪時代のトラウマを払拭 みんなが言ってくれた
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前回の札幌在籍時には公式戦でPKを合計4回蹴り、その全てを成功させてきた。しかし、G大阪に在籍していた昨季はPK失敗を経験し、その嫌なイメージが頭に残っていたことから、今回はキッカーに名乗り上げるかどうかを迷ったという。それでも「みんなが『武蔵が蹴って』みたいな感じで言ってくれたので。本当にありがたいです」と、チームメートの後押しを受けてペナルティースポットにボールをセットした。
仲間の思いも背負い、力込めて
「直近で1回外しているのでプレッシャーはありましたけど、もう止められても外してもいいから、思いっきり(自分が)決めたところに蹴ろうという思いで、力を込めて撃ちました」。仲間の思いも背負って放ったシュートは、ルヴァン杯8強入りを目指すチームにとって大きな先制点となった。自身にとってものどから手が出るほど欲しかったゴールだっただけに、試合後は「良かったです。チームも勝てたのですごく良かったです」と笑顔を見せた。
得点王だった19年決勝の忘れ物
この日の勝利で札幌はルヴァン杯8強入りが決定。鈴木にとっても19年決勝の忘れ物を取りに行くための権利を、自らのゴールでつかみ取ることができた。「決勝で良いゲームをした中でタイトルを獲ることができなくて、本当に悔しい思いをしました。なのでもう一度帰ってきたところで、一試合一試合、勝っていって、また決勝の舞台にみんなで行けるようにやっていきたいです」。6試合で7得点を挙げて大会得点王に輝きながらも、優勝カップがあと少しのところですり抜けていったあの日から5年。今度こそ悲願の初タイトルを手にすべく、プライムラウンドの戦いへと挑んでいく。
FW陣にとって今季公式戦初得点
鈴木だけではなく、FW陣にとっても今季公式戦初得点となったゴール。「(プレッシャーは)感じていましたけど、とにかくチームに貢献できるようプレーしようと思っていたので。ここから高みを目指してやっていきたい」と、このゴールをきっかけに巻き返しを虎視眈々と狙っている。前回在籍時には公式戦5試合連続ゴールをはじめ、3試合連続ゴールを1度、2試合連続ゴールを3度記録するなど、一度火がついたら止められなくなるのが鈴木の特長。翌週に控える京都との負けられない戦いを前に、ついにエースストライカーの導火線に火が放たれた。