困ったときの“やち神様”は健在だ。「幸運を呼ぶ男」として定着した谷内が、来季もチームのために一肌脱ぐ。仲間を活躍させる不思議な力を備えており「オフのうちにいい運をためられるような行動を心がけます」と善行を自らに課した。
　Ｒ・ロドリゲスから「アミーゴ」と呼ばれ、バット選択の儀式が恒例化。谷内が選ばなかった一本から快音が生まれた。練習中に土下座であいさつしてきた堀は、直後の試合で快投し、ルーティンとなった。宇佐見もこれをまねて、本塁打をかっ飛ばした。
　急にあがめられるようになった谷内は「たまたま結果が良くて辞められなくなったんじゃないですか。頭一つ下げれば、いいことが起きる…」と苦笑い。誠実で温かい人柄も相まって、周囲を引きつけている。
　今季は１軍にフル帯同し、キャリアハイの１０６試合に出場した。地道に積み重ねた努力が実った格好だ。「人のために行動することも大事。まずは家族サービスをしたり、お世話になった人に連絡したり、受けた恩を返したい」。守備のスペシャリストはおごらず、日頃の行いを大切にしながら来季に備える。