高校野球
2024/06/17 18:00

’04夏の甲子園13-10の決勝を回顧㊦「涙が自然と出てくる変な感覚」駒苫・佐々木監督×済美・鵜久森氏対談

2004年夏の甲子園決勝のスコアブックに記された鵜久森氏(右)の最後の打席を指さして笑顔を見せる佐々木監督=撮影・中村真大

当時の駒苫イケメン主将と日本ハム元大砲のスペシャル対談最終回

 2004年夏の甲子園決勝を振り返る駒苫・佐々木監督×済美・鵜久森氏の「’04夏の甲子園決勝20年目の真実」最終回は9-9で迎えた七回から、ラストシーンまでを振り返ります。

 九回最後の打席で鵜久森淳志さん(37)の打った最後の打球は、遊撃を守っていた佐々木孝介監督(37)がキャッチしてゲームセット。もしあの打球が同点の本塁打になっていたら…? 2人にはその後の展開を想像してもらったほか、2人の歩んできたその後の20年についても話してもらいました。

 佐々木監督は母校の指揮官として2度の選抜甲子園を経験しましたが、夏はまだありません。香田誉士史元監督(53、現駒大監督)の言葉から気づかされたこと、道内強豪校の名将から影響受けたことなどを語ってくれました。鵜久森氏も日本ハムについてや、同期のダルビッシュ有(37、パドレス)が日米通算200勝を達成したときのこと、涌井秀章(37、中日)と活動を続ける61年会についてのことなどを語ってくれました。(以下、敬称略)

 

 

3点リードしても「絶対取られる」

【七回裏】
―駒苫は七回に再びマウンドに戻った福井投手を相手に2死三塁から佐々木主将の適時二塁打を皮切りに4連打で3得点。駒苫にとっては最多となる3点をリードした
佐々木(以下、佐)「でも俺ら絶対ね、この後、絶対取られるからって言ってた。絶対、追いつかれたり、絶対取られるから、そんなに驚かないでおこうって話はしてました」
鵜久森(以下、鵜)「そう考えたらこっちの方がプレッシャーかかってるね」

七回裏、佐々木主将のタイムリーで逆転。10点目を挙げる

 

二塁けん制のときに打撃称賛?

【八回表】
―済美先頭の鵜久森がレフト前への強烈な安打で出塁。連打で二塁へ進み、糸屋捕手からの二塁けん制の際に、佐々木主将と何か言葉を交わしていた
「全然覚えてないっすね。あいさつ程度じゃないですか?」
「(その前の打球が)すげえなと思ってたんでそれを言ったんだと思います。打球が見えなかったですもん」

最後の打者・鵜久森を迎える前にマウンドでNO.1ポーズをする駒大苫小牧ナイン​

 

スタンドからあと1人コールが

【九回表】
―3点を追う済美は、福井投手が先頭で二塁打。その後の連打で無死一、三塁。まずは佐々木主将が遊ゴロを併殺に仕留めて2死三塁。ここで駒苫ナインはマウンドへ。すると甲子園のスタンドからあと1人コールが沸き起こる。鵜久森はネクストバッターズサークルで打席を待っていた
「そんなんありましたっけ? それが聞こえてないってことは、俺、集中してたんでしょうね。自分のことしか考えていなかった」

一発同点の場面で4番・鵜久森

―四球で2死一、三塁。一発同点の場面で打席が回ってきた
「狙ってなんかないですね。僕、狙ったホームランってないんですよ。糸屋選手と違うんです(笑)。普通に自分のスイングをしたら、ホームランになるっていう感覚だったんで。ただ、高校野球って最後は真っすぐっていう感覚があるんです。その時の状況によるんですけど、変化球でいって、打たれて悔いを残したくないっていう人が多い。だから初球、真っすぐで中に入れてくるんじゃないか?って雰囲気があった。普通だったら外でホームランを打たれないようにすると思うんですけど、たぶん全力で思いっきり来るだろう。それに僕は合わせてて、変化球が来たら空振りでもいいと思ってた。それぐらいの感覚で振ってました。なので読みとしては合っていた」

初球の真っすぐを打ち上げた! 高く上がったフライに…『落とせ!』

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