田宮裕涼 好リード&決勝打 昨季から試合で使うキャッチャーミットに刻まれる「K」の意味とは
■交流戦2回戦 中日0ー7日本ハム(6月12日、エスコンフィールド北海道)
23歳ラストナイトに最高の輝き!
日本ハムの田宮裕涼捕手(23)が12日、中日戦に「5番・捕手」で先発出場し、一回に先制の右前適時打を放った。
守っても先発の伊藤大海投手(26)を今季初完封に導く好リード。13日に誕生日を迎える若武者が、23歳最後の夜を笑顔で締めくくった。
相思相愛バッテリー 伊藤「これからも付いて行きたい」
〝ひろゆあ〟バッテリーで、100球未満での完封を意味する「マダックス」を達成。球場が歓喜に沸く中、「僕はお兄ちゃんの感じがあって好きです」という伊藤の元へ駆け寄り、そっと抱き合った。
「真っすぐも力強かったですし、スライダーのキレも良かった。大海さんがいいボールを投げてくれたのが、抑えられた結果かなと思います」。お立ち台では、一緒に上がった右腕が「自信満々にサインを出して引っ張ってくれるので、これからも付いて行きたい」とコメントし、照れくさそうだった。
〝お兄ちゃん〟に先制点をプレゼント
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持ち前のバッティングでも、エースを強力援護した。一回2死一、二塁で回ってきた第1打席。カウント1ー1から相手先発・小笠原の直球を右前へはじき返した。チームに20イニングぶりの得点をもたらし「大海さんを勝たせます!」と力強くコメント。熱き思いもバットに乗せた。
今季はプロ6年目にして初めて開幕スタメンマスクを勝ち取り、一気にブレーク。現在打率.344でパ・リーグ2位につけている。
山中2軍捕手インストラクターから譲り受けたミット
女房役として経験を積む日々。田宮が使っているミットには、ある秘密がある。「K」をモチーフにした刺しゅうが施されており「山中潔のKです」とニッコリ。昨季、山中潔2軍捕手インストラクター(62)から譲り受けた〝相棒〟で試合に臨んでいる。
キャッチャーの基礎を叩き込んでくれた恩師
昨季まで3年間ファームのバッテリーコーチを務めた山中氏は、田宮にとって〝恩人〟だ。体力強化メニューを導入するなど、2軍で捕手としての基礎を叩き込んでくれた。口酸っぱく言われたのは「継続しか力にならない」。その一環として、試合中にベンチで配球ノートをつけるようになった。
離れていても感じる固い絆
3年ほど前から始まったルーティンは、1軍で活躍する今でも継続中。顔を合わせる機会は減ったが、「K」と刻まれたキャッチャーミットを通して師弟は強い絆でつながっている。