郡司裕也 夏の甲子園のリベンジ成功 〝因縁〟の小笠原から狙って放った一発
■交流戦2回戦 中日0ー7日本ハム(6月12日、エスコンフィールド北海道)
9年越しの雪辱 七回に試合を決定付ける6号ソロ
日本ハムの郡司裕也捕手(26)が12日、エスコンフィールド北海道で行われた中日戦の七回、小笠原慎之介投手(26)から第6号ソロを放った。
9年前の夏の甲子園決勝の〝再現〟。仙台育英の4番だった郡司が当時、日本一を阻まれた東海大相模のエースにリベンジした。
隠すことのない燃える気持ち
長年のライバルが立ちはだかった。少なからず、感情は高ぶっていた。特別な相手との真剣勝負。「紅白戦とか、何回か対戦していますけど、公式戦でいえば、甲子園以来ということになるのかな。因縁の相手。私怨(しえん)ですけど」と冗談を交えつつ、打倒小笠原に燃えていた。
左翼後方プルペンへ 二回には巧打と好走塁を披露
二回、直球を中堅左にはじき返し、相手守備の隙を突く好走塁で二塁を陥れた。七回の第4打席も直球にアジャスト。「ホームランは狙っていました」と振り返った会心の当たりは、本塁打エリアの左翼ブルペンに吸い込まれた。
あの夏 みちのく勢初の快挙にあと一歩
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
2015年8月20日。東北勢初の頂点を懸けた仙台育英は、名門の東海大相模と死闘を演じた。郡司は三回に適時打を放つなど、存在感を示した。八回を終わって6―6。九回、投手の小笠原に勝ち越しの本塁打を許し、悲願が打ち砕かれた。
再戦を制した 「僕にとってすごい大きな存在」
偶然と必然が重なり、9年の時を経て再戦が実現した。互いにチームの命運を背負っていた。この日は、4打席で本塁打を含む長打2本。チームも勝ち、甲子園の雪辱を果たす形になったが「打席に立ったらそんなの(高校時代の勝ち負け)は関係ないですけど、彼は僕にとってすごい大きな存在なので、打てて良かったです」と静かに喜びをかみしめた。
中日時代にはバッテリー 重々承知の実力
中日時代、捕手として同級生の球を何度も受けてきた。持ち球、球筋など、特徴を理解していた。力を認めているからこそ、楽しかった。
「きょうはたぶん、そんなに(状態が)良くなかったと思いますけど」と前置きしてから「やっぱり右バッターのインコースに来る球とか、速かったですし、1打席目なんかは2回、首を振ってインコース真っすぐが来て…こいつやってんなと、思いました」と目を細めた。
今やファイターズの主力 カード勝ち越しへ気合
昨年6月、中日から移籍してきて1年後の今、ファイターズの主力を担っている。「個人的なものよりも本当にチームの連敗が止まった、という方が大きいです。あと1試合、勝ち越したい」
大きな意味を持つ一戦もまだ通過点。郡司は慢心せず、謙虚に貪欲にバットを振り続ける。