札幌がFW出間思努&MF原康介の18歳コンビのゴールそろい踏みで天皇杯3回戦進出
■天皇杯2回戦 札幌3―1栃木シティ(6月12日、札幌ドーム)
北海道コンサドーレ札幌がFW出間思努(18)&MF原康介(18)の高卒ルーキーコンビがそろってゴールを決めるなど3得点を挙げて、JFL3位の栃木シティに快勝。7月10日に行われるJ2山形との3回戦(詳細未定)進出を決めた。
左足振り抜きボレーシュート
リーグ戦最下位と悩めるチームの活性化には欠かせない若い力たちが、札幌ドームのピッチ上で躍動を見せ、ゴールという結果を出した。まずは出間だ。札幌が1点リードで迎えた前半16分、右サイドからMF田中宏武(25)がゴール前へクロスを送ると、先制点をマークしたFW金健熙(29)がDFの裏に抜け出した出間にラストパス。相手GKとの1対1の局面の中、出間は冷静に左足を振り抜いてボレーシュートをたたき込んだ。「ああいう場面では常にボールが来たら、ゴールに行けるイメージをしていたので、(実際に)ボールが来て得点を決めることができました。良い(ゴールへの)嗅覚だったと思います」と胸を張る。
昨季に続き天皇杯連続ゴール
札幌U-18に在籍していた昨季は、天皇杯3回戦のヴェルスパ大分戦(5〇2)で2ゴールを挙げて勝利に貢献。天皇杯での〝2試合連続ゴール〟で、再びチームの力となった。「天皇杯連続ゴールというのは自分の中でもすごくうれしいですし、今日のゲームも勝利できて良かったです」。
公式戦4戦目でプロ初ゴール
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出間にとって、この得点はプロ契約締結後初の公式戦ゴールでもある。「(プロ初ゴールという)目標もあったので、今日達成できて良かったです」と、今季の公式戦出場4試合目で手にした待望のゴールに笑顔を見せていた。
原は今季公式戦3点目
そして勝利を決定づける3点目を決めたのが原だ。前半終了間際に失点し、1点差で迎えた後半20分、DF髙尾瑠(27)の右サイドからのクロスを、ゴール前のMF小林祐希(32)が頭で落とすと、ボールはペナルティーエリア内に進入していた原の足元に転がった。
ボールを受けたのはゴールライン際の、ゴールへの角度があまり無い位置。ゴール前には相手選手が密集しており、周囲の味方からボールを出すよう求める声も飛んでいたが、原は冷静に状況を見極めていた。「DFの位置が、自分から見るとあまりコースを切れていない感じだったし、ジャンプもしていたので。そこをうまく通すことができた」。原の右足から放たれたグラウンダーのシュートは、相手の隙間をすり抜けて、一直線に栃木シティゴールへ。原にとって今季公式戦3得点目となる大きな一撃だった。
同期2人で初のゴール競演
同期の2人にとって、公式戦4試合目となる同時出場で決めた、初のゴールそろい踏み。出間が「良かったです」と喜べば、原も「結果を出すのはすごく大事なこと。それを18歳の2人が取れたのは良かった」と、顔をほころばせた。
札幌はこれで9日のルヴァン杯プレーオフラウンド第2戦富山戦(2〇1)に続き公式戦2連勝。ルヴァン杯8強入り、天皇杯3回戦進出と成果を残し、チームの雰囲気も良くなりつつある。中2日で重要な京都とのリーグ戦(15日、サンガS)を迎える。主力に故障者が多い状況だけに、18歳の2人もチームの重要な戦力としてメンバー入りする可能性がある。「絶対に勝たなければいけない試合。逆に勝ち点3を取ることができたら、(勝ち点を)どんどん積み上げていくこともできると思う。より重要な一戦で、試合に出たときも、ベンチでもチームを盛り上げて、プラスに働けるようにしたい」(原)。札幌ドームのピッチで輝きを放った18歳コンビが、京都の地でもチームに活力を与え、再び勝利に貢献する働きを披露する。