【’24ドラフト道産子有望株】⑦紋別の150キロ右腕・池田悠真投手 カニ食べ放題の実家で育まれた豪腕
中学まで本格的な投手経験なし
今秋のドラフト会議で指名が期待される選手を先取りする「’24ドラフト道産子有望株」第7回は、紋別の最速150キロ右腕・池田悠真(はるま)投手(3年)。中学まで本格的な投手経験はなかったが、家業のカニ漁の手伝いで鍛えた頑丈な肉体で、今まさに花を咲かせようとしている。
ダイヤモンドの原石が光りを放つ
磨きがいのあるダイヤモンドの原石が光り始めた。6月8日の士別翔雲との練習試合では、バックネット裏にセ・リーグのスカウトが陣取り、スピードガンを構えた。この日の最速は145キロ。セットポジションから膝を高く上げ、ためたパワーを一気に解放すると、豪快にキャッチャーミットを叩いた。完投したが、スタミナ不足で中盤当たりから打ち込まれた。「自分の力を100パーセント発揮できなかった。いつも通り投げようと思って、いろいろ考えすぎてごちゃごちゃしていた。あと2週間で修正していきたい」。北見支部予選の初戦を迎える28日の2回戦を見据えた(対戦相手は斜里・大空・津別の合同チームと北見工業の勝者)。
最速138キロから大幅アップ
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昨秋までの最速は138キロ。わずか8カ月で10キロ以上アップした。昨年、江副翔太部長(28)赴任後から本格的に筋トレを導入。昨夏よりも4キロ増に成功した。「去年の秋はだいぶコントロールがばらついてて、足を上げて投げることに挑戦したんですけど、その時もコントロールに苦しんだ。春を迎えて、ある程度形が固まって、変化球も入るようになった。いい感じのステップを踏んでいるのではないか」。春季大会前の練習試合で147キロをマークすると、5月半ばの練習試合で大台に到達。「特に球速とか全く考えてなくて、本当にスピードが出ているのを知らなかったぐらい。腕を振って、しっかりタイミングが合えば、もうちょっと出るのかな」と、最後の夏を前に急浮上してきた。
<動画:池田投手の投球フォーム>
昨秋までは漁師一択だったが…
昨年の秋までは「漁師になろうと思っていた」。祖父がカニ漁を営んでおり、池田も小学低学年から週末になると、水揚げされたカニが詰まったかごを運ぶなどお手伝い。「腕の筋力は、ついたと思う。食べ放題です」と屈託なく笑う。「船頭はおじさんに代わったんですけど、じいちゃんもやってます」。もしドラフト指名を受けるとすれば、プロ入りとカニ漁、究極の選択を迫られるが「半々。夏の結果次第」。どこまで伸びるか目が離せない。
■プロフィール 池田 悠真(いけだ・はるま) 2006年11月13日、雄武町生まれ。184センチ、89キロ。雄武小2年時に雄武フライングタイガーズで野球を始める。雄武中2年までは捕手。紋別では1年春からベンチ入り。今春の練習試合で150キロをマークした。変化球はフォーク、パワーカーブ、カットボール、ツーシーム、2種類のスライダー。家族は両親と弟、妹。