冬季スポーツ
2021/11/25 14:28

バイアスロン前田 夫と二人三脚で北京目指す W杯開幕へ

射撃に集中する前田。技術は平昌五輪時よりも格段アップした(自衛隊体育学校提供)

 クロスカントリースキーと射撃でタイムを競うバイアスロンのW杯があす26日にスウェーデンで開幕。倶知安町出身の前田沙理(31、自衛隊真駒内)が出場する。W杯各大会での成績が北京五輪の代表選考に大きく関わる。2018平昌五輪後に結婚した前田。現名字でも五輪舞台に立つべく、W杯に臨む。

結婚前に出場の平昌のリベンジだ

 「出ることしかできなかった。何もできなかった」初五輪。それから約3年9か月が経過し、リベンジの舞台が刻一刻と迫ってきた。前田は「前回の五輪から強くなるために毎年、試してきた。史上最強の自分になってW杯、五輪に挑みたい」と意気込んだ。
 古谷沙理として出場した平昌五輪。個人種目は女子7・5キロスプリントの49位が最高成績だった。大会後の引退を決めていたが「終わった時に、こうすれば強くなれるんじゃないかと思えた。まだできる」と現役続行を決意した。
 元バイアスロン選手で現在は日本代表のワックス担当を務める亮さん(29)と18年5月に結婚。二人三脚で大舞台への道を歩んできた。
 今季は6月から異例の欧州合宿に臨んだ。シーズン開幕前に長期の海外遠征を行うのは初の試みで「何かを変えるには、環境の変化が一番早いと思った」と一念発起した。
 夫と2人でオーストリアなどを回り、弱点だった高所でのトレーニングも敢行。外国人コーチの指導でスキー、射撃のフォームも見直し「変わったなと感じる。実戦が楽しみ」と手応えを口にした。
 北京五輪の日本代表は来年1月中旬に行われるW杯第6戦後、個人の世界ランキングをもとに決定する。前田は「(結婚して)サポーターが2倍になった。支えてくれる人も増えたので、結果で恩返しをしたい」。心強いパートナーとともに選考を勝ち抜き、「前田」で初の五輪出場を決める。(島山知房)

■前田沙理

 (まえだ・さり)1990年5月25日、倶知安町生まれ。倶知安高、早大ではクロスカントリー選手。インカレでは複数種目で優勝経験がある。2013年の自衛隊入隊後、バイアスロンに転向。平昌五輪では7・5キロスプリントで49位、15キロで85位、10キロパシュートで54位。

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